どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
マンガをパソコンで描く人は年々増えていますが、しっかり楽しむには快適にマンガが描けるPCスペックもあわせて知っておきたいところです。
もし必要なスペックを満たしていないパソコンを選んでしまうと、せっかく漫画を描いててもイチイチ動作がもたつきストレスばかり溜まることになりかねません。

この記事ではデジタルで漫画を快適に描くために必要なスペックからおすすめ最新機種情報まで、長年絵を仕事にしてきたプロの目線も交えて紹介します。
目次
快適にデジタル漫画を描いていけるパソコンスペックと、最新のおすすめ機種4選

結論から書くと、2023年時点でデジタルで漫画作成をスムーズに楽しめるパソコンスペックはこのようなレベルになります。
- モニター・・・フルHD(1980✕1080)以上 ※正方形より横長ワイドが使いやすくおすすめ
- CPU・・・intel core i5以上
- メモリ・・・8GB以上
- ストレージ・・・最低50GB以上※容量はクラウドが使えるならあまり気にしなくてもOK、またHDD(ハードディスク)よりSSDのほうがソフトの起動速度が早くなる
- グラフィックボード・・・必須ではないが、あると漫画ソフトの3D機能などがよりスムーズに
これをベースとした上で、予算や用途にあわせて少し高めのスペックを狙っていくのが購入後にパソコンを長く使っていける秘訣です。
以下では上記スペックを問題なく満たして快適に漫画が描いていける最新パソコンをいくつか例として紹介しておくので、悩んだら参考にしてください。
①デジタル漫画が描きだせる、基本スペックの格安デスクトップPC
mouse MH-A7A01


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | AMD Ryzen™ 7 5700G プロセッサー |
グラフィックス | Radeon™ Graphics |
メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 129,800円(税抜118,000円)~ |
安定したスペックの割にキーボードやマウスまでついて13万円未満と限界まで価格がおさえられたデスクトップ型パソコンで、普通の漫画作業に使う分には特に問題もなく楽しんでいけるでしょう。
そもそもこのくらいのレベルの機種を買っておければ購入後も長く安心して使っていけるので、デジタルで感じるストレスも最小限におさえた快適な状況でお絵かきしていけるはずです。
②デジタルでやりたいことが存分に楽しめる、優秀スペックのデスクトップ型PC
mouse SH-I7A40


OS | Windows 11 Home 64ビット |
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CPU | インテル® Core™ i7-13700F プロセッサー |
グラフィックス | Radeon™ RX 6400 |
メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 184,800円(税抜168,000円)~ |
シンプルな漫画を描くだけならもったいないほどのスペックで、高品質なデザインやYouTubeなどの動画編集でも問題なく使えるレベルです。その分値段は多少上がりますが、ここまでの機種を選んでおけば何もストレスなく好きなことが楽しんでいけます。
①と比べた時の大きな違いはCPUとグラフィックスの性能になるでしょう。予算との兼ね合いも大事にしながらどのくらい快適な環境を選びたいか好みで判断すればいいですが、本格的に描いていきたい場合は結局こちらのほうが無難かもしれません。
③お手頃価格で、画面広々デジタル漫画作業が楽しめるノートPC
mouse F7-I5I01BK-A


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i5-1155G7 プロセッサー |
グラフィックス | インテル® Iris® Xe グラフィックス |
メモリ | 16GB (8GB×1 / シングルチャネル) |
ストレージ | 512GB (NVMe)SSD |
モニタ | 17.3型液晶パネル(ノングレア) |
価格 | 129,800円(税抜118,000円)~ |
ノートPCの平均サイズは15インチ前後ですが、この機種は17.3インチとかなりの広さなので広々と余裕のある環境でお絵かきしていけます。クリスタなどのお絵描き用ペイントソフトを開き、別ウィンドウに絵を描く資料を出したり動画を見ながらマンガを描くことも可能です。
その他のスペック的にもメモリやストレージが安定している割に値段が13万円未満とだいぶ手頃な価格設定なので、ノートで気楽にデジタルお絵描きを始めたい人にもちょうどいいんじゃないでしょうか。
④優秀スペックでストレスなくデジタル漫画作成が楽しめる、良コスパのノートPC
mouse K7-WA


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-12650H プロセッサー |
グラフィックス | GeForce® GTX 1650 |
メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB SSD |
モニタ | 17.3型 液晶パネル (ノングレア) |
価格 | 6/21まで期間限定セール15,000円OFF⇒154,800円(税抜140,728円)~ |
こちらも画面が17.3インチと広々大きいサイズのうえ、しかもCPUがCore i7と余裕あるスペックなので購入後は何も不満なく漫画を描いていけるでしょう。唯一ストレージだけは多くないので、クラウドで何か付け加えるのがおすすめです。
絵だけでなくゲームや動画編集でも、快適にサクサク楽しめるでしょう。画面サイズの大きさを加えたスペックの良さがありながら15万円代という高いコストパフォーマンスを両立したお絵描き用のノートPCを探していたら、今はこれ以上の機種はちょっと見つからないかもしれません。
デジタル漫画作成は基本的にノートよりデスクトップPCがおすすめ!

上程度の絵やマンガであれば、ノートでもデスクトップでも問題なく描けると思って大丈夫です。
ただし『作業領域』という要素があります。基本的にデジタルで絵を描く時の液晶画面は、大きければ大きいほど作業効率が比例して向上します。
物理的にモニターが狭いとどうしても描く時に拡大・縮小操作を繰り返すので、効率悪い状況が生じてしまいます。漫画の資料をウィンドウで一緒に開きたいときも、画面が狭いと困難でしょう。
ノートPCでも漫画自体はたしかに描けますが、携帯性や機材スペースを除けばお絵かき環境として快適に漫画を描けるのは間違いなくデスクトップです。
- 10インチ…漫画を描くのは基本的に厳しいかも・・・
- 13インチ…持ち運ぶならこのくらいがラク、ただ本気で漫画を描くには手狭か?
- 15インチ…少し重くなるので持ち出すなら良いカバンで、このサイズなら漫画も割と描きやすい
- 17インチ…大きい分重いので家限定で使いたい、マンガを描く広さ的には申し分なし!

パソコンでマンガを快適に描くときに特に重要な3要素

ご存じの通りパソコンはスペックの差によって、使用時の快適さや値段がまったく変わってきます。
なのでやはりデジタルで漫画を描くときには、予算をおさえつつ極力スペックのいいパソコンを探していくのが基本的な流れになるでしょう。

※絵を描くパソコンの基本スペック
上の画像はイラストや絵を描くおすすめパソコン&スペックを絵のプロが徹底解説で作成したものですが、マンガを描く際も中身はほぼ共通しています。
このスペックをまず満たしつつ、こだわりたい部分はよりレベルアップさせておくことがストレスなくデジタルでマンガを描くためのコツです

『モニタ』と『メモリ』と『SSD』
まずモニタ(パソコンの画面)ですが、マンガを描くなら広いに越したことはありません。基本的に正方形よりも長方形の方がおすすめです。
デスクトップなら21インチ以上、ノートは15インチ以上が基準となるので可能な範囲でそれ以上の大きさを確保していってください。
また絵を描くパソコンのメモリは8GBあればいいと一般的に言われますが、ページの多い本格的なマンガを描くなら16GBあった方が余裕があって安心でしょう。

そしてSSDは、データを保管するハードディスク(HDD)の上位版のようなものです。
ハードディスクよりSSDはデータを扱う速度が速いので、マンガを描いてて原稿データを保存したり読み込むときも素早く処理が行えて快適になります。容量的には500GB程度あれば問題ありません。
漫画を描くパソコンをコスパよく手に入れたいなら『BTOパソコン』から検討するのが鉄則!

スペックを高くすると値段も比例して上がるのがパソコンの基本ですが、漫画を描くパソコンをいわゆる大型電気店で選ぶのはあまりおすすめできません。
電気店のパソコンは有名メーカー製品が多く人件費もかかるため値段が上がるうえ、不要なソフトもインストールされていてムダに高くなりがちです。でも絵を描くパソコンにメーカーの違いは一切関係ないですし、絵と無関係のソフトはそもそもいらないのが現実です。
快適にマンガを描けるパソコンをコスパもよく手にしたいと考えるなら、必ず『BTOパソコン』から検討することを強くおすすめします。

Copyright © MouseComputer CO.,LTD. All Rights Reserved.
マウスコンピューター公式サイト:https://www.mouse-jp.co.jp/
『BTOパソコン』はマツコ・デラックスさんがテレビCMもやっているマウスコンピューターなどが有名ですが、イラストレーターや漫画家・デザイン・映像編集などプロのクリエイター的な仕事をしている人たちの多くがBTOパソコンから選んでいます。

自分もマウスのPCを使っています
クリエイターなど専門職が使うからって難しいものではなく、一般の人も多く利用しています。ネットで販売されることで人件費をおさえ高いスペックをコスパよく購入できる機種というのがBTOパソコンで、OSもWindowsなので使い心地は普通のパソコンと何も違いがありません。
購入者ごとの予算や希望に合わせて最適な構成を選べるため、電気店で似たスペックの有名メーカー製パソコンを選ぶよりも基本的にBTOパソコンの方が平均して3~5万円は安くできます。その分手厚い補償にまわしても費用が余るほどのレベルです。

マンガをデジタル環境で描くために必要な機材と選ぶポイント

あらためて、デジタルで漫画を描くために必要なものを確認しておきましょう。
①パソコン
デジタルのメイン機材であるパソコンは基本的に高いスペックのほうが快適に使えますが、当然予算もあるのでしっかり選ぶ必要があります。
デスクトップかノートかは人ごとの用途によりますが、マンガは原稿用紙データを画面に開いて描きこむ作業になるので画面が広いに越したことはありません。

同じようにiPadなどのタブレットで描くことも最近はできますが、四コマや軽いタッチのものならともかくページ多めで描き込み密度の高い漫画なら処理速度やデータ管理の面からもデスクトップのほうが無難でしょう。
②ペンタブ
デジタルで絵を描くには、アナログでいう鉛筆やGペンの代わりともいえるペンタブが必須です。
ペンタブは板に描く板タブと、液晶に直接描きこむ液タブに分かれます。
このような板タブのほうが値段は安いですが、慣れるまでに多少時間がかかります。
一方液タブは液晶画面がついているぶん割高になりますが、直接描きこめるのでアナログ感覚で作業できて慣れも比較的早いでしょう。
予算・慣れの早さ・置くためのスペース・・・など複合的に要素を考えて、あなたに最適な方向性を選んでください。
★ペンタブについてもっと知りたいときは、イラスト初心者向けペンタブレット最新おすすめ機種が役立ちます。
③ペイントソフト
デジタルで漫画やイラストを描く際に欠かせないのが、描くためのお絵かきソフトペイントソフトです。
イラストではなくマンガの場合の選択肢はほぼ一択です、シェアも圧倒的な『クリスタ(CLIP STUDIO PAINT EX)』を選んでおけば間違いありません。

© CELSYS, Inc.
公式サイト:https://www.clipstudio.net/
値段は公式サイトのダウンロード版で23,000円ですが、トーンなど基本的なマンガ用素材も使い放題なのでアナログで描いていた頃よりトータルではるかに安くつくでしょう。
他にもマンガソフトやアプリはいくつかありますが、安かったり無料なものはその分機能が削られているのでちゃんとマンガを描きたいならクリスタ一択です。
★クリスタに適したパソコンを探したいときは、クリスタを使うパソコンのおすすめスペックと機種の選び方が参考になります。
パソコンで漫画を描くメリット・デメリット

ここでは、デジタルで漫画を描くメリット・デメリットをおさえておきましょう。

デメリット①一定の初期費用が必要
当然ながら漫画を描くために新たなデジタル機材を用意するので、どうしてもある程度の予算は必要になります。
上で紹介した3種の機材を購入する上では、10~20万の範囲で考えておけばいいでしょう。
デメリット②ソフトや機材に慣れる必要がある
ペンタブで絵を描く感覚に慣れたり、ペイントソフトで絵やマンガを描く手順を理解するのはデジタル最初の壁と言えます。
未経験の人にとってはなかなか高い壁ですが、現在は初心者向けの無料動画などYouTubeに多くあるので探してみましょう。

上でも動画を紹介しましたが、当サイトと連携して運営しているYouTube【ハシケンちゃんねる】ではクリスタの基本的な使い方から漫画を描きだす手順もくわしくまとめているので必要な時にはぜひ活用してみてください。

メリット①原稿や手が汚れない!
デジタルなので当然ながら手は汚れません。インクが手につくことも、ふと気が付くとトーンのきれっぱしが体についていた・・・なんて事態もなくなります。
原稿用紙も消し跡が残ったり紙が破れたりもしないので、作業の労力はアナログよりかなり減らせるでしょう。
メリット②画材の購入費用がトータルでおさえられる!
機材の章でも書いたように、トーンは素材データさえあれば何度でもどんな範囲にだって貼ることができます。さらに貼った後、他の柄に取り換えることもクリック一つでカンタンです。
Gペンのペン先なども物理的に破損するわけではないので、ペン先をいくつも買っておく必要がなくなります。
最初に機材を買いそろえる必要こそありますが、追加費用はアナログ漫画作業と比べても本当に少なく済むのがデジタルの大きな利点です。
特にソフトでクリスタさえ選んでおけば、備え付けで使用できる柄などの素材の種類も豊富なので使っていてとりあえず困ることはありません。
メリット③修正や調整がカンタン!
アナログだと鉛筆で下書きをしてペン入れして消しゴムかけて…という流れで進みますが、デジタルだと下書きに対する消しゴムかけは一切必要なくレイヤーを非表示にするだけで済みます。

※レイヤーのイメージ
さらに描いた後から絵の調整も簡単で、修正液で原稿用紙を汚すこともなく何回でも好きなように直せます。
トーン同様にベタもクリック一発で塗りつぶせるので、アナログで漫画を描いていた人ほど最初はデジタルの便利さに驚くでしょう。塗り残しの処理もやり方さえわかれば簡単です。

メリット④他の人とマンガデータを共有しやすい!
漫画原稿のデジタルデータは、同じソフトを持っていれば遠方の人とも共有がカンタンです。

投稿サイトに描いた絵やマンガをアップしたいときも、デジタルであればスキャンの必要もありません。
またデータさえしっかり管理しておけば原稿が劣化することもないので、何年後でも描いたままの状態で保存しておくことができます。
トーンを削ったり重ねたり、背景はパース定規というものを使ってきれいに描いたり・・・アナログ作業でデジタルに置き換えできていないものは今やほぼありません。
デジタルで描く最初の慣れさえクリアできればあなたのマンガライフはより充実した時間になるでしょう。より質の高い漫画を描けることにも、大きくつながっていくはずです。
まとめ

マンガを描くパソコン選びは安い額じゃないので慎重になりますが、今回紹介したように必要なスペックやお得な買い方さえ知っておけばそこまで悩む必要もなくなるでしょう。
最適な機種が手に入れられたら、きっとアナログの時よりマンガを快適に描いていけるようになれます。

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