どうも、アートディレクターのハシケン(@conteanime)です。

マンガをパソコンで描く人は年々増えていますが、意外ととっつきにくい部分もあってすんなり始められない人も案外多いんです。
この記事ではデジタルで漫画を描くメリット・デメリットから必要な機材情報、快適に描くためのパソコンのスペックから選び方までを長年絵を仕事にしてきたプロ目線も交えて紹介します。

目次
ストレスなく快適にパソコンでマンガを描くために必要なスペックとは

ご存知のようにパソコンはスペックの差によって、値段と使用時の快適さが大きく変わっていきます。
なので漫画を描こうとしたときも、予算をおさえつつ最大限高いスペックのパソコンを探すのが基本的な進め方になるでしょう。

※絵を描くパソコンの基本スペック
上の画像は以前別のパソコン関連記事でイラスト向けとしてまとめたものですが、マンガを描く際にもほぼ共通しています。
現時点では、このくらいのスペックを満たしていればおおむねストレスなくデジタルでマンガを描くことが楽しめると考えてください。
そして漫画を描くパソコンを選ぶときに特に意識してほしいのが、つぎの2つの要素になります。
メモリとSSD
絵を描くパソコンのメモリは8GBあればいいと一般的に言われますが、ページの多い本格的なマンガを描くなら16GBあった方が余裕があって安心でしょう。

また、SSDはデータを保管しておくハードディスク(HDD)の上位版のようなものです。
ハードディスクよりSSDはデータを扱う速度が速いので、マンガを描いてて保存したり読み込むときも素早く処理が行えて快適になります。容量的には500GB前後あれば問題ありません。
その他のスペックとしてCPUなどもいいに越したことはありませんが、予算との兼ね合いで考えれば大丈夫です。ただ、特にメモリとSSDに関してはなるべくいい状態にできるよう心掛けてください。
・・・ちなみにスペックを高くすると値段も比例して上がるのがパソコンの基本ですが、いわゆる大型電気店に行って買うのはあまりおすすめできません。
そもそも電気店のパソコンは有名メーカー製品ばかりで値段が上がりがちなうえ、余計なソフトも多くインストールされていてムダに高くなりがちです、でも絵を描くパソコンにメーカーの違いは何も関係ないですし、絵と無関係のソフトはいらないのが現実です。
もしあなたが漫画を描くために最適なパソコンをなるべく安く手にしたい・・・と思うなら、ぜひ『クリエイターPC』から検討してみてください。
マンガを描くパソコンを最大限安く手にできる『クリエイター向けのPC』とは?

マウスコンピューターなどが特に有名ですが、ネット上をメインにパソコンを販売している業者が多く展開しているのが『クリエイター向けのパソコン』という商品なんです。

Copyright © MouseComputer CO.,LTD. All Rights Reserved.
マウスコンピューター公式サイト:https://www.mouse-jp.co.jp/
いわゆるイラストレーターや漫画家・映像編集やCG作成をするプロのクリエイター向けに販売されているパソコンで、ネット販売することで人件費をおさえコスパよく高いスペックを実現できた機種となります。
クリエイター向けといっても難しいものじゃなく、好きな機種を選んでメモリやCPUなどスペックごとに選択肢の中からより良いものを選べば(※カスタマイズといいます)店側が組み立てて完成品を送ってくれます。

いらないソフトやパーツを避けながら予算ごとに最適な構成を選べるため、電気店で同スペックの有名メーカー製パソコンを選ぶよりも基本的にクリエイターPCの方が平均3~5万円は安くできます。その分手厚い補償にまわしても費用が余るレベルです。
以下ではマウスコンピューターで販売されているデスクトップPCを例にいくつか紹介しておくので、パソコン選びで悩んだら参考にしてみてください。
①まさかの10万円未満、費用を最大限おさえつつ漫画を描きはじめられるデスクトップPC
mouseDT5


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i5-11400 プロセッサー |
グラフィックス | インテル® UHD グラフィックス 730 |
メモリ | 8GB (8GB×1) |
ストレージ | 256GB (SATA) |
価格 | 94,800円(税抜86,182円)~ |
驚きの税込み9万円台を実現した、標準スペックのデスクトップPCです。価格が激安なぶんメモリは8GBと控えめなので、余裕あれば購入時に16GBに増やしておけるといいでしょう。
普通に漫画を描くことはできますが作業が込み入ってくるとデータを読み込む際に多少時間がかかる恐れもあるので、ストレスを極力無くしたい場合は次以降の機種がオススメです。
②じっくりデジタルで漫画を楽しめる、安心スペックのデスクトップPC
DAIV A5-1050Ti


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | AMD Ryzen™ 5 5600X プロセッサー |
グラフィックス | GeForce GTX 1050Ti |
メモリ | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB SSD |
価格 | 119,900円(税抜109,000円)~ |
落ち着いて漫画を描いていける、良スペックPCです。①と比べると若干値段は上がりますがそれでも一般的なPCよりだいぶ安いですし、スペックもそれなりなので安心して使っていけるでしょう。
このあたりのレベルのパソコンなら、使ってて問題が生じることもあまりないはずです。より快適さを求める場合は次以降の方がいいでしょうが、費用も気になる場合はこの辺から始めてもいいかもしれません。
③快適に漫画作成が楽しめる、優良スペックのクリエイターデスクトップPC
DAIV Z5


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-11700F プロセッサー |
グラフィックス | GeForce® GTX 1650 (GDDR6版) |
メモリ | 32GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
価格 | 175,780円(税抜159,800円)~ |
机でゆったりマンガ作業を楽しめる、値段の割にスペックも充実したクリエイター向けデスクトップPCです。
コレだけのスペックがあれば漫画を描いてて困ることも基本的にはないでしょう。さらに平均的なゲームなど、絵以外でも割と問題なく楽しめる余裕のある状態が満喫できます。
④ストレス無用で漫画が描ける、ゲームや動画編集だって余裕のハイスペックデスクトップPC
DAIV Z7


OS | Windows 11 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル® Core™ i7-11700F プロセッサー |
グラフィックス | GeForce RTX™ 3060 |
メモリ | 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB SSD +2TB HDD |
価格 | 6/8まで期間限定20,980円OFFセール中⇒ 209,800円(税抜190,728円)~ |
ストレスなく快適にお絵描きできるPCです。こまかなスペックも充実しているので、絵を描いてて困ることなんてありえません。ただ・・・絵だけを描くならここまで行くと少々オーバースペック気味です(苦笑
ゲームはもちろん面倒な動画作成やCGの絡んだ映像編集でもバリバリ使えるでしょう。予算に余裕があってなるべく快適にお絵描きしたい、他にも色々楽しみたいならきっと満足いくはずです。さらに今なら限定セール中で通常より20,000円以上安くなっています。

改めて整理!マンガをデジタルで描くために必要な機材の種類とポイント

ここからはあらためて、デジタルで漫画を描くために必要なものを確認しておきましょう。
①パソコン
デジタルのメイン機材であるパソコンは基本的に高いスペックのほうが快適に使えますが、当然予算もあるのでしっかり選ぶ必要があります。
デスクトップかノートかは人ごとの用途によりますが、マンガは原稿用紙データを画面に開いて描きこむ作業になるので画面が広いに越したことはありません。

同じようにiPadなどのタブレットで描くことも最近はできますが、四コマや軽いタッチのものならともかくページ多めで描き込み密度の高い漫画なら処理速度やデータ管理の面からもデスクトップのほうが無難でしょう。
②ペンタブ
デジタルで絵を描くには、アナログでいう鉛筆やGペンの代わりともいえるペンタブが必須です。
ペンタブは板に描く板タブと、液晶に直接描きこむ液タブに分かれます。
このような板タブのほうが値段は安いですが、慣れるまでに多少時間がかかります。
一方液タブは液晶画面がついているぶん割高になりますが、直接描きこめるのでアナログ感覚で作業できて慣れも比較的早いでしょう。
予算・慣れの早さ・置くためのスペース・・・など複合的に要素を考えて、あなたに最適な方向性を選んでください。
★ペンタブについてもっと知りたいときは、イラスト初心者向けペンタブレット最新おすすめ機種が役立ちます。
③ペイントソフト
デジタルで漫画やイラストを描く際に欠かせないのが、描くためのお絵かきソフトペイントソフトです。
イラストではなくマンガの場合の選択肢はほぼ一択です、シェアも圧倒的な『クリスタ(CLIP STUDIO PAINT EX)』を選んでおけば間違いありません。

© CELSYS, Inc.
公式サイト:https://www.clipstudio.net/
値段は公式サイトのダウンロード版で23,000円ですが、トーンなど基本的なマンガ用素材も使い放題なのでアナログで描いていた頃よりトータルではるかに安くつくでしょう。
他にもマンガソフトやアプリはいくつかありますが、安かったり無料なものはその分機能が削られているのでちゃんとマンガを描きたいならクリスタ一択です。
★クリスタでの漫画の描き方については、デビュー用のYouTube動画も作成しているので必要な時は参考にしてください。
パソコンで漫画を描くメリット・デメリット

最後にまとめとして、デジタルで漫画を描くメリット・デメリットをおさえておきましょう。

デメリット①初期費用がかかる
当然ながら漫画を描くために新たなデジタル機材を用意するので、どうしてもある程度の予算は必要になります。
上で紹介した3種の機材を購入する上では、10~20万の範囲で考えておけばいいでしょう。
デメリット②ソフトや機材に慣れる必要がある
ペンタブで絵を描く感覚に慣れたり、ペイントソフトで絵やマンガを描く手順を理解するのはデジタル最初の壁と言えます。
未経験の人にとってはなかなか高い壁ですが、現在は初心者向けの無料動画などYouTubeに多くあるので探してみましょう。

上でも動画を紹介しましたが、当サイトと連携して運営しているYouTube【ハシケンちゃんねる】ではクリスタの基本的な使い方から漫画を描きだす手順もくわしくまとめているので必要な時にはぜひ活用してみてください。

メリット①原稿や手が汚れない!
デジタルなので当然ながら手は汚れません。インクが手につくことも、ふと気が付くとトーンのきれっぱしが体についていた・・・なんて事態もなくなります。
原稿用紙も消し跡が残ったり紙が破れたりもしないので、作業の労力はアナログよりかなり減らせるでしょう。
メリット②画材の購入費用がおさえられる
機材の章でも書いたように、トーンは素材データさえあれば何度でもどんな範囲にだって貼ることができます。さらに貼った後、他の柄に取り換えることもクリック一つでカンタンです。
Gペンのペン先なども物理的に破損するわけではないので、ペン先をいくつも買っておく必要がなくなります。
最初に機材を買いそろえる必要こそありますが、追加費用はアナログ漫画作業と比べても本当に少なく済むのがデジタルの大きな利点です。
特にソフトでクリスタさえ選んでおけば、備え付けで使用できる柄などの素材の種類も豊富なので使っていてとりあえず困ることはありません。
メリット③修正や調整がカンタン
アナログだと鉛筆で下書きをしてペン入れして消しゴムかけて…という流れで進みますが、デジタルだと下書きに対する消しゴムかけは一切必要なくレイヤーを非表示にするだけで済みます。

※レイヤーのイメージ
さらに描いた後から絵の調整も簡単で、修正液で原稿用紙を汚すこともなく何回でも好きなように直せます。
トーン同様にベタもクリック一発で塗りつぶせるので、アナログで漫画を描いていた人ほど最初はデジタルの便利さに驚くでしょう。塗り残しの処理もやり方さえわかれば簡単です。

メリット④データを共有しやすい
漫画原稿のデジタルデータは、同じソフトを持っていれば遠方の人とも共有がカンタンです。

投稿サイトに描いた絵やマンガをアップしたいときも、デジタルであればスキャンの必要もありません。
またデータさえしっかり管理しておけば原稿が劣化することもないので、何年後でも描いたままの状態で保存しておくことができます。
トーンを削ったり重ねたり、背景はパース定規というものを使ってきれいに描いたり・・・アナログ作業でデジタルに置き換えできていないものは今やほぼありません。
デジタルで描く最初の慣れさえクリアできればあなたのマンガライフはより充実した時間になるでしょう。より質の高い漫画を描けることにも、大きくつながっていくはずです。
まとめ

マンガを描くパソコン選びは安い額じゃないので慎重になりますが、今回紹介したように必要なスペックやお得な買い方さえ知っておけばそこまで悩む必要もなくなるでしょう。
最適な機種が手に入れられたら、きっとアナログの時よりマンガを快適に描いていけるようになれます。

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