どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
会社からの独立を考えはじめたきっかけは、次のようなことでした。
- 震災で帰れなかったので、家族の近くで仕事できるようにしたかった
- 以前リストラを経験していたので会社勤めに安定を感じていなかった
- 会社経由じゃなく自分自身で直接お客さんと関わる仕事がしたかった
- 毎年の昇給に限度が見えていたのでもっと収入を増やしたかった
20~30代前半は絵を描く仕事そのものが楽しいだけでいいですが、30代も半ばをすぎると徐々にその先の未来のことを考えだすものでしょう。
40、50・・・とさらに歳を重ねていった時に今と変わらず自らが仕事で絵を描いてる状況を想像できる人は、おそらくそう多くはないはずです。
不安を抱いている絵描きさんがどの程度いるか正確にはわかりませんが、一つ言えるのは・・・
・・・ということじゃないでしょうか?
目次
50歳を過ぎて会社の机で絵を描いている自分の姿が想像つくか?
絵のような技術の世界で1プレイヤーとして描き続ける道は相当厳しいものです。若い頃もてはやされた人でも、40半ばを超える辺りで不安を感じだすかもしれません。
絵を描く仕事の会社は、おそらく半数以上がボーナスも退職金もないはずです。さらに業界自体が若いこともあり定年した人口がまだまだ少なく今後の実態がよく見えていません。
あなたがいつまでも会社の中で絵を描いてる自らの姿を想像できないなら、将来どこかで会社をやめたり絵ではない仕事に移るタイミングが必ず訪れることになります。
若いうちならともかく年齢がある程度いった段階でいきなり方向転換するのは非常に厳しくなります、そのためにも日々の仕事をしながら可能な限り先を見据えてリスクヘッジに動いていくべきでしょう。
ゲーム、アニメ、遊技機、漫画・・・絵を描く仕事の業界は様々ですが、果たして今いる業界はこの先何年続くのか? 自分はいったいどうするのか??
絵を描く仕事で、あえて会社員として生きつづける3つの道
まずは、あえて会社員をきわめる方向から見ていきましょう。
管理職になる
あなたが現場の1プレイヤーでなくマネジメント側に移れるなら、ある程度年齢があがっても割と長く会社に残っていけるかもしれません。
プロフェッショナル職になる
多くの会社でこのようなポジションが存在しているはずなので、あなたがプレイヤーとして社内で高いレベルにあるなら狙ってみるのも一つの手です。
管理職ではないにしても、比較的給与は近いレベルが得られるケースが多いでしょう。
最低でも、並行してディレクション業務もこなしていかないといざというとき苦しいやも??
転職を重ねて会社を渡り歩く
・・・かつての同僚に、半年程度でポンポン会社を変えている人がいました。
キャリアも技術も人並以上に高いので家族のための給与アップを狙って有名企業を次々練り歩き、ふと気づいたら次の会社に移っているという状況でした。
・・・最初の会社にそのままいたら今ごろどれだけ給与上がってたんだろうかと、正直首を傾げざるを得ないやり方でした。
こんな刹那的な生き方をしていたら実際なにも得なんてしません、履歴書も汚れますし周りからの信頼も築きにくいでしょう。
現在勤めている会社から離れる場合の3つの形
では次に、今勤めている会社を離れることになるケースを考えてみましょう。
自発的な転職
よりよい条件を求めて転職することは、絵の業界ではまったく珍しくありません。
リストラ・倒産からのやむをえない転職
自分が昔いた会社は一年かけて制作した社運をかけた大作タイトルが全く売れず、発売から二週間後に開発室閉鎖=全員リストラというパンチの効いたフィナーレを迎えました。
経営以外のリストラパターンとしては、
- 技術不足や流行りの絵柄についていけないことによるクビ
- AI技術の進歩による人員削減
・・・あたりになるでしょうか、前者は誰でも長く続けたら立ちふさがる「壁」です。
後者は絵の分野で今後どんなことが起こるかまだまだ未知数ですが、これから40年以上働く世代は必ず直面していくテーマになるはずです。
いずれの場合も、リストラは結果的に転職へ流れることがほとんどでしょう。
会社組織からの独立
- フリーランスとして絵の仕事を請ける
- 個人事業主になって自分のビジネスを始める(法人化含む)
会社を離れて下請けとして絵の仕事をもらったり、絵に関係するしないにかかわらず自らのビジネスを行うパターンです。
ただし会社から離れる道は、人生すべての責任をあなた自身で背負う厳しさもあります。
特に絵を描くことのみで食べていこうとした場合は、
- 仕事をどこからどのくらいもらえるか?
- お金になる絵を何歳まで描けるのか?
・・・という、2つの大きな不安材料を抱えながら生きていくことになるわけです。
★転職をしっかり考えたいときには、イラストレーターが転職を考えるなら必ずおさえておくべき5つのポイントで前もって整理しておくと進めやすいと思います。
究極的には誰しもひとりで生きていけるように強くなるしかない!
絵をベースにしても絵と違う方向でもいいですが会社を離れた時にあなた一人で生きていくための方法を、会社勤めしながら模索していってください。
なるべくなら、複数の収益の道を確保することを考えていきましょう。
模索は会社勤めしたままでも十分始められます。むしろ会社自体もあくまであなたにとって収益の道の一つだと考えればリストラもそこまで怖くなくなるかもしれません。
絵を描く作業は目の前に創造に集中する分、ついつい視野が狭くなりがちです。
少し目線を上げて俯瞰的に今のあなた自身の状況を確認して、この先どうしていくべきかを頭の片隅で考えていってください。
まとめ
絵の仕事は楽しいし大きなやりがいもありますが、生涯をかけるには厳しい部分もはらんでいます。技術や才能は年齢とともにどうしたって枯れていきます、抵抗し続けることは誰にもできません。
・・・今回の内容で夢や希望もないと感じてしまった人もいるかもしれませんが、大切なのは先の厳しさを覚悟した上であなたなりの対策を取りながら進めていくことじゃないでしょうか?
フリーランスイラストレーターで食べていく仕事の取り方はこれだ!