どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
クリップスタジオ(=クリスタ)でマンガを描く時に多く使用されている機能の1つに、「ライン抽出」というものがあります。いわゆる背景や小物を描くときに、写真などの素材から線画を取り出す機能です。
イラストに使うことはそこまで多くないかもしれませんが、知っているといざという時かなり役立つ機能なのでぜひ覚えて活用してみて下さい。
目次
ライン抽出機能はクリップスタジオEXのみ! え・・・PROにはない?
![クリップスタジオペイント 線画抽出機能 PROのみ](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/0118-2.jpg)
写真や素材などから線画を取り出すことのできる非常に便利な機能のライン抽出ですが、実はクリップスタジオペイントPROではできなくてクリスタEX限定の機能となっています。
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/04uum.png)
★PROとEXの違いについては、クリップスタジオPRO/EXどっちがいい?違いを知って最適なソフトを選ぼう!で確認してください。
2021/08/09追記)
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/02haha.png)
でも、EXのほうが基本的には簡単で楽ですw
▼PROしかない場合の線画抽出方法はこちら!
EXでの線画抽出のスタートは「レイヤープロパティ」から!
![クリップスタジオペイント ライン取り出し機能 レイヤープロパティ](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/1104-2.jpg)
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/02haha.png)
まずは、開いているクリップスタジオのキャンバス上に線画を抽出したい写真や画像を読み込む必要があります。
メニューバー「ファイル」ー「読み込み」ー「画像」か、もしくはキャンバスに直接ドラッグすることで『画像素材レイヤー』という状態で開くことができます。
![クリップスタジオペイント 画像読み込み 画像素材レイヤー](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/0b30bcb66446277b9f7542f26c09d1c7.jpg)
★画像素材レイヤーに関しては、クリップスタジオ画像素材レイヤー使い方!描いた絵をタイル状に並べようで解説しています。
読み込んだらレイヤーパレットでレイヤーを選択した状態で、「レイヤープロパティ」の「ライン抽出」ボタンを押せばそれだけでもカンタンに線画を抽出してくれます。
![クリップスタジオペイント ライン抽出 線画](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/4550ad2131a770a9b2e5cd8c2e3f4e29.jpg)
抽出時の設定は黄色の辺りで色々と自由に変更することもできます、以下各項目で行えることになります。
- 黒ベタ閾値(しきいち)・・・黒ベタにする範囲を調整できます
- ライン幅調整・・・線の幅を調整します
- エッジ閾値・・・ノイズなどを飛ばせます
- 検出方向・・・見た目の印象を変えられるのでイメージに合う状態を選べます
![クリップスタジオペイント レイヤープロパティ 表現色](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/8f0f390196da6aa8887f189d1066e50f.jpg)
ノイズ飛ばしについて
写真から線画を取り込みたい時にどうしても発生しがちなのが、ノイズの発生です。
![クリップスタジオペイント 線画抽出 ノイズ](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/4c88f47e2805cce4e5abcc81ac7eac8b.jpg)
エッジ閾値でかなりのノイズを飛ばすことができますが、好きなように調整したい場合は「色混ぜツール」の「ぼかし」や「フィルター」の「ガウス」で直接消すこともできます。
▼ノイズ処理のポイント▼
- ぼかしはブラシ濃度を変えて(15など)、使いやすくした上で行います
- 背景画像に使いたい場合、写真に写っている人物が邪魔なときはこの段階で消します
- 必要があればあとから背景に描き足し処理を行うこともあります
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/02haha.png)
LT変換をすれば(主にマンガに使う用に)線画とトーンに分けて抽出できる!
![クリップスタジオペイント マンガ機能 LT変換](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/2ab37f642bf6c7a1b40e69c157616dde.jpg)
線画を取り出すだけなら上の手順だけでも十分ですが、マンガに使う際は写真をもとに線とトーン処理を取り込みたいことがほとんどになるでしょう。
その場合に使うのが、「レイヤーのLT変換を実行」というボタンになります。
![クリップスタジオペイント レイヤープロパティ LT変換機能](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/64f87e215c4a0771fb00cec615acc02e.jpg)
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/082gaha.png)
ちなみにLT変換に関しては、前章で書いたノイズ処理関連のぼかしやガウスなどひと通り終えたあとにやるのが一般的です。
また、LT変換をした画像は元に戻せなくなるので心配なら複製しておきましょう。
LT変換処理の流れ
ノイズ処理など一通り終わったら、レイヤープロパティにある「レイヤーのLT変換を実行」のボタンを押すと専用ウィンドウが表示されます。
![クリップスタジオペイント LT変換変換 線画 トーン処理](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/046057899f67bcc36d5b2950fe87cd95.jpg)
「プレビュー」にチェックを入れておけば調整の様子がリアルタイムに見れるので、線画の際と同じようなイメージで様々なところを調整した上でOKを押すと線画とトーンが分かれて作成されます。
この段階ではラインにはまだアンチエイリアスがかかっているので、2値化して使いたい場合にはレイヤープロパティの表現色をグレー⇒モノクロにするのを忘れないで下さい。
もちろん3D素材だってLT変換はできる!
写真と同様の手順で、クリップスタジオにある3D背景や小物など数多くの素材もLT変換処理を行ってマンガなどに使うことが可能です。
![クリップスタジオペイント 3D素材 LT変換](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/8e7c13e103b655e05b329bd52b33a475.jpg)
※YouTube「ハシケンちゃんねる」より参照
例えば描くのが大変な拳銃などは、今回紹介したような手順を使ってマンガに取り込んで使っている人も多くいます。
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/02haha.png)
少しでも早くデジタル習得したいときのおすすめ手段とは?
![デジタルイラスト 講座 講師 ハシケン](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/12/IMG_58033.jpg)
デジタルやクリスタで自由に絵を描くにはいくつかの知識と技術も必要です、でも独学だけで進めていると自分が取り組んでいることが正解かどうか判断つかずにムダな時間がかかりがちです。
実は絵やデジタルが早く上手くなりたいなら、絵のわかる第三者からアドバイスを受けながら練習する方が圧倒的に近道なんです。
せっかくデジタルの機材をそろえたのに絵を描く手順やソフトの操作がわからない、思うように描けない…と悩むなら一度「イラスト講座」で教わるとデジタルの理解やその後の成長がだいぶスムーズになるでしょう。
以下ではイラスト初心者さん~中級者まで人気の講座を例として紹介するので、思うように上達できず悩んだら参考にして下さい。
「イラスト・マンガ総合講座」
公式サイト:https://human-yakan.com/
全国展開している大手専門校「ヒューマンアカデミー」が一般の人向けに運営している『イラスト・マンガ総合講座』は講義や添削を通じアドバイスをもらいながら学べるので、独学のような不安や心細さも少なく実力アップをめざせます。
通いもありますが、最近は便利なオンラインや動画講座が多く利用されています。個人の好きなタイミングで学べるため、仕事や家事で忙しい人でもスキマ時間に自由なペースでイラストの技術を伸ばしていけるでしょう。
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2021/04/manga_tushin_sec03Img01.jpg)
※実際の教材サンプル
質問は講師に直接聞く以外に24時間対応のチャットまであるので、一人で絵を描いてて悩んでもすぐ疑問を解消できます。また受講終了後も教材が手元に残るので、苦手な部分も克服していきやすいでしょう。
学校運営だから当然かもしれませんが、絵の基本からデジタルスキル・キャラクターデザイン…など描いて楽しむ技術・知識をこれほど幅広く身につけられる講座は他にそうありません。独学でムダに遠回りせず、早く着実にうまくなりたい人に特におすすめです。
まとめ
![クリップスタジオペイント 線画抽出 ライン 便利](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2020/07/200507-3-1.jpg)
クリップスタジオには数多くの便利な作画補助機能が備わっていますが、中でも目をみはるレベルで助かるのが今回紹介した線画抽出と言ってもいいでしょう。
これがあることで作業効率が上がって助かっている漫画家さんは、世の中に山ほどいるはずです。
![](https://conte-anime.jp/system/wp-content/uploads/2017/12/07honya.png)
▼次はこちら!
クリップスタジオをパソコンで快適に使うおすすめスペックと機種の選び方