どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
クリップスタジオペイントで写真から線を取り出すためには通常クリスタEXにある『LT変換』という機能を使って行いますが、『そもそもLT変換機能のないPROでなにか線画抽出の代替機能はないのか!?』と思う人もいるんじゃないでしょうか?
ということで今回は、クリスタPROで写真から線画を抽出する特別な方法を2つ紹介します。
目次
参考:クリスタEXでの線画抽出(LT変換機能)について
上のYouTubeで確認できますが、クリスタEXを使っていれば写真からの線画抽出はだいぶ簡単にできます。
キャンバス上に写真などを読み込み、レイヤープロパティの「ライン抽出」というボタンを押せばそれだけで線画を抽出してくれます。
その後細かい設定を変えて状態を好きに調整したり、「レイヤーのLT変換を実行」することで線画とマンガのトーン加工と分離して作成したり・・・作業の自由度もかなり高いです。
以上の前提を踏まえた上で、あえて今回は例外的な手法を2つ紹介します。取り上げるのは、クリスタの公式質問ページで紹介されていた方法を下敷きにしました。
クリスタPROで線画抽出を行う特別な手順①合成モード『差の絶対値』を使う
線画を取り出したい写真などのレイヤーを複製して、複製した側のレイヤーの合成モードを「差の絶対値」に変えます。
変えたレイヤーを【拡大・縮小・変形】の操作で移動できる状態にして、右と下に2pxずつ移動させます(左と上でも、厳密に2pxでなくても大丈夫です)。
黒い画面に線が出るので、その上にレイヤーメニューの【新規色調補正レイヤー】⇒【階調の反転】を選びましょう。
もし線画を白黒にして使いたい場合は、さらに新規色調補正レイヤーを加えて『2値化』を使ってください。閾値のスライダーをずらして、線画が見える状態に設定するのが重要です。
やってみて線のずれが気になるときは、また移動でずらして元の状態に近づけて程度のいいところに設定してみてください。
クリスタPROで線画抽出を行う特別な手順②ベクターの設定を活用する
はじめに、線画抽出したい写真などの画像が大きすぎると処理にやたらと時間がかかってしまうので1,000px前後など最初にある程度サイズを小さくした上で使用することをオススメします。
▼キャンバスサイズや解像度の変更方法はこちらで確認できます
①画像を複製し、色調補正で2値化
まずは、画像を3枚に複製します(何枚かは適宜判断でも大丈夫です)。
それぞれの画像を編集メニュー【色調補正】機能で『50』、『100』、『180』前後の閾値でそれぞれ2値化していきます。
②レイヤーの変換でベクターにし、調整していく
次にレイヤーに対して1枚ずつ、【レイヤーの変換】処理を行っていきます。
それぞれのレイヤーごとに右クリックや上部レイヤーメニューから【レイヤーの変換】を選んで、種類を『ベクターレイヤー』にしてさらに【表現色】を『グレー』にします。
「ベクター設定」をクリックして最大線幅を1~3に(ものによってはそれ以外でもできます)、補正は1を、他は2値化されているので気にせず「OK」としてください。
この時点では全体がグレーになっているので完全に2値化したいときは全体をレイヤーをフォルダーにまとめたうえで、レイヤーメニュー【新規色調補正レイヤー】で【2値化】を作成して一番上に配置すればOKです。
また3枚のレイヤーを閾値に差をつけて2値化した理由は、1つの基準値だけでやってしまうとそれぞれの場合に取り切れない線画がでてくるため複数のパターンで2値化することで線画を拾い集めていると推察します。
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まとめ
今回の2つは線画抽出の代替機能としてそれなりにつかうことはできますが、どうしてもそれぞれである程度の調整は必要になります。
カンタンに自由に線画を取り出したいなら素直にEXを使ったほうが絶対ラクですが、PROで行けるところまで行ってみたい場合にはよかったら一度試してみてください。