どうも、アートディレクターのハシケン(@conteanime)です。

それが、【どうやって生き残るか?】ということです。
平凡な絵の技術ではもしかすると、今後絵の仕事で生きていくことが困難になってしまうかもしれません。
この記事では10年以上絵の仕事で会社勤めをして独立した立場もふまえて、これから絵を仕事にする厳しさと生き残る秘訣について具体的に詳しくお届けします。


目次
①シンプルなイラスト作成だけだと、もはや生き残りは困難な時代になってきた・・・?

少し前のニュースで、顔イラストを作成できるAIツールが話題になりました。
似たような方向で、こんなものもあります。
さらに、写真だけどこんなのまで・・・。
2020年代、絵描きはAIと真っ向勝負する時代に突入する
・・・もちろんそれぞれ実用面ではまだ足りない部分もあるでしょうが、現状と進歩の速さからしてもあと数年も経たないうちにかなり普通に使えるレベルまで行くと考えられます。
もちろん商業作品において、量産的な素材では代替の効かないイラスト素材は無数にあります。

それほどに絵の素材を作るという業種は、今後確実にAIに侵食されていく領域が多いことは覚悟しておいたほうが無難でしょう。
ここ10年ほどで大きく変わってきた、絵やイラストに関わる業界の実態


最後に勤めてた会社ではスマホゲームのイラストアートディレクターとして、イラストレーターに仕事を発注したり監修・赤ペン修正などをやってました。
ソシャゲブームがもたらした功罪、絵描きの世界は完全なるレッドオーシャンに
最後の会社に転職した当時はGREEなどに代表されるソシャゲのバブルが若干落ち着いた直後でしたが、1つのアプリで毎月ゲーム用のカードイラストを50枚以上作成しないといけないようなむちゃくちゃ忙しい時期だったんです。
会社からすればイラストを出せば出した分だけ儲かる美味しい時期だったんでしょうが、2021年の最近はそんな状況でもなくなかなか厳しい時代になってるようです。
『イラストレーター』という職業はソシャゲブームでカードイラスト制作のニーズに合わせ一気に人数が増え、その後ガラケーからスマホへの移行で厳しく淘汰されていきました。
これから新規で挑戦するなら既に激しい競争の行われている渦中に飛び込んでいく形になるので、そもそもハードな環境だと言えるでしょう。
デジタルツールの一般化で増えすぎた『キレイな絵を描けるイラストレーター』という存在
さらにこれからは、平凡なイラスト技術ではソフトに勝てない時代に入っていきます。

そもそも今は、デジタル機材やソフトの一般化で【キレイな絵】を描ける人が10年前と比べてものすごく増えています。
イラストを仕事にしようとするとまずその人達の中で抜きん出る必要があるわけですが、そうできても次はAIによる安定した質の無限量産制作が立ちはだかります。
ソフトは年々バージョンアップしていってどんどん優秀に実践的になっていくでしょうが、ニンゲンの成長には残念ながら限界があるでしょう。
AIには決して勝てない、人間ならではのワケ
さらに、ひとは年を取ります。
絵を仕事にしてると現実問題センスはいつか必ず若い人に負けます、画力も40歳を超えたあたりからじわじわ衰えていくのを実感するかもしれません。

素材的な絵の作成作業は、これからさらに価値を下げていく・・・?

ソシャゲの制作に携わっていたころ一番感じたのが、イラスト一枚の【価値の低さ】でした。
一つのゲームタイトルでひと月50枚以上も作成しているとどうしたってカードイラストがただの使い捨て的になっていきます。
今でこそキャラクターも厳選して世界観も大事にするゲームじゃないと受け入れられませんが、自分の働いてた2012年前後は本当にキャライラストは数が正義という状態でまさに量産物でした。

イラスト監修している立場としても、結構な虚しさを感じたものです。
別の会社でオリジナルのキャラデザをしたときはすごく大きなことを成し遂げた気でしたが、もはやキャラクターってなんなんだろうと・・・あまりに素材の使い捨て感が極端すぎてやりきれなくなったものでした。
実は職場では、【絵描き】は簡単に替えがきくポジション・・・?
さらに重要な事実は、実は『絵描き』という立場はカンタンに代替が効くものなんです。
イラストレーターというとプロジェクトの肝のように感じるかもしれませんが、外注でなんとかなってしまうことは想像以上に多くあります。

いくら絵の上手い人でも、探せば代わりは必ず見つかります。それが平均的な技量の人であればなおさら・・・というのが絵を描く仕事の実態です。
ツラい現実ですが人件費を抑えたい会社であれば、まずおさえにかかる部分が絵描きの雇用にかかる費用になってしまうでしょう。
絵に頼りすぎない選択肢が今後ますます重要になっていく
また【キレイな絵】を描ける人が増えるにつれ、商売における絵1枚の価値は反比例して年々低くなっています。
デジタルツールやAI技術の発展は人の手によるイラストの価値に最終的な崩壊を招くんじゃないかと2010年代前半から危惧してましたが、2020年代に入ってだいぶ現実に近づいてる感じで・・・絵で仕事をしてきた1人としても身の引き締まる想いです。
だからこそこれから大事になってくるのが、最後にお伝えする『絵だけに頼りすぎないこと』になるんじゃないかと考えています。
絵の質を高めるだけじゃなく、あなた独自の『付加価値』をつけていこう

自分が独立したのは2015年春頃ですが、実は独立後は絵だけで収入を得てきたわけじゃないんです。

そんな実体験があるからこそ、これからはうまく【絵の力を使う】ことがとても重要だと実感しています。
- 絵を活用してSNSなどで発信したり
- 自分のビジネスを発展させるために絵を活用してみたり
- 絵と直接関係のない他の要素を組み合わせてみたり
- ・・・etc.
これから絵を使って収入を得ていきたいなら、特にこのあたりの発想は強く意識していくべきでしょう。
絵にあなた独自の『価値』をつけていくということ
たとえば、絵にプラスアルファの要素を付ける。

上は感染が広がる前までほぼ月イチで開催していたデジタル初心者さん向けのクリスタの一日講座の写真ですが、参加いただく方は絵を使ってなにかしたい・・・そんな想いをもつ方がすごく多かったです。
たとえばもし絵の仕事で企業に属すなら、管理系の業務を行うことで絵を描いているだけよりも上の立場に進めます。
実際自分のようにゲームのイラスト制作で働くなら、絵を直接描くイラストレーターよりもイラストの指示書を作って発注して監修しているアートディレクターのほうが給与は高いのが普通です
これからイラストレーターをやるにしても、クライアントからもらった仕事をやるだけじゃなくなにか視野的に広がりのある仕事を模索していくといいかもしれません。
あなたの中にせっかくある『絵の力』を、積極的に収入の源に変えていこう
絵一本だけでムリヤリなんとかしようとするんじゃなくて、せっかく持っている絵の力をどう使えば自分の収入に変えていけるのか??
一つがだめになったとき、別方向で挽回できる目線や考え方はこれからどんどん必要な時代になっていくでしょう。
そして他の人との違いを強く出すためにも、SNSなども上手く使って独自の個性をいかに発揮できるかが今後さらに求められていくはずです。
今みたいな厳しい時代になったとしても、絵というのは非常に大きな力を秘めています。

まとめ

やり方は様々あるので、これが正解というものはありません。
ただこれまで以上に絵だけを描いて生きていくのは厳しい時代になっていくはずなので、すこし先を見すえながら戦略的に進めていく必要があります。

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