どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
ということで今回は「アートディレクターとはなにか? どんなことをする仕事で、なりたいときはどうすればいいのか?」を経験者目線も交えつつ詳しくまとめていきます。
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目次
求人でよく目にするゲームや映像・イラスト・広告などの「アートディレクター」とは何か?
アートディレクター(Art Director)とは、美術表現、芸術表現をもちいた総合演出を手がける職務を意味する。商業活動のなかでは、広告、宣伝、グラフィックデザイン、装幀な どにおいて、主に視覚的表現手段を計画し、総括、監督する職務である。顧客の依頼・要望あるいは、立案された計画を目的達成するための素材や表現方法を模 索し決定する。例えば、写真の風合いや対象、文字の書体や位置、色彩の組み合わせなどを考察する。実際に手を動かして作業する人間はデザイナーであり、アートディレクター兼デザイナーという表現をする場合もある。また、各種美術展・作品展の企画・立案・運営を専門的に行う職務でもある。
※wikiより引用
・・・簡単に言ってしまうと、アートディレクターとは「アート(ビジュアル)をディレクションする人」のことをさします。
簡単に言っちゃえば「製作指導」かな。direction をする人が director, つまりディレクターだって考えればOKかと。
※教えて!gooより引用
「商品や作品などモノを作るときに自分以外のイラストレイターやデザイナーなどを使って、指示・調整を行い完成まで導く人」だと理解してください。
会社によっては人員確保やスケジュール調整・内部や外部への受発注作業・進行管理なども加わります。イラスト関連だと、赤線で修正を入れたりしてイラストレーターに直し作業を頼むこともあります。
いちプレイヤー的な動きだけすることもあれば、全体を見ながら指示出しをする人もいて同じ呼称のアートディレクターでも業界や環境でだいぶ差はあります。
アートディレクター(AD)とは、雑誌・Webサイト・広告・装丁などの制作過程における、視覚的表現の責任者です。まずはクライアントや自社のプロ デューサーや編集者と企画の方向性を打ち合わせ、それに応じた視覚表現を考えます。その後、それをデザイナーやコピーライター、カメラマンらに伝え、撮影 現場に立ち会って指示を出したり、各デザイナーの作品をチェックして統一感を整えたりしながら、クオリティーの高い作品を作っていきます。ディレクション やマネジメント要素の強い仕事ではありますが、実際に手を動かすアートディレクターも多いようです。
※Find Job!より引用
広告・デザイン関連のアートディレクターとは?
世間的に一番アートディレクターの印象が強いのはこの業界かもしれません。一時期話題になった東京五輪エンブレムの某氏もそうですし、アートディレクターとして有名な佐藤可士和氏もこのくくりの方になるでしょう。
広告は消費者に伝えたいイメージをより伝えやすくする為に、興味を持ってもらう為に加工しなければなりません。そして、人目を引くには「ビジュアル」や「アート」の表現技術を駆使し、目立たせなければなりません。その為には、広告のプロ「アートディレクター」が必要になるの です。広告制作の仕事は、アートディレクターが中心になり、あとコピーライターやプランナー、そしてグラフィックデザイナー、フォトグラファーというようにチームで制作を行うことが多いです。簡単に言えばアートディレクターは現場監督みたいなものです。
※アートディレクターとは何か?より引用
最初にクライアントの依頼があり、それに対する提案を自身や周辺のスタッフなどで具体例を作成し、プレゼンで示して、晴れて仕事をとったら作り上げていく・・・という流れが多いでしょうか。
広告代理店から独立してアートディレクターになるパターンも多くあるようです。
ちなみに、似た言葉でクリエイティブディレクターというものもあります。
「クライアントから『こんな広告をやりたい』という依頼があって仕事がスタートします。まずは何をした がっているかを聞きに行って、何が求められているかを考えて、そのためには何をしてあげるべきなのか、テレビや雑誌、新聞、ウェブなどどんなメディアに 打って出るのかを考えます。それから、コマーシャルの具体的な企画をプレゼンテーションして、それを実際に作って世の中に出すところまでを担当します」
※リクナビNEXTより引用
映画やアニメなど映像関連のアートディレクターとは?
ADは最終的なビジュアルを決定し、カメラマン(またはフォトグラファーまたは写真家。人によっては呼称にこだわるので面倒です・笑)やイラストレーター に画を作らせ、それとコピーライターの書いたコピーをデザイナーに渡し、目指す形にレイアウトさせるのが仕事となります。ADによっては数名抱えているデ ザイナーに案出しまでさせ、その中からピックアップ・ブラッシュアップして仕上げる人もいますが、それでもやはり最終的にはADの作品と呼べるでしょう。
※アートディレクター(AD)とはより引用
映画やアニメならたとえば世界観設定を作ったり、キャラクターの設定資料を作る部分が業務だったりします。ですが人によっては全然その辺はノータッチで、あくまでも映画・アニメの広告的部分だけに携わることもあります。
ゲームやイラストなど絵の関連のアートディレクターとは?
ゲームの舞台設定・コンセプトアートを描いたり、登場するキャラのイラストやアイテム素材を作成する部分が主要な業務です。
やはりアートディレクターごとに仕事のやり方は差があって、一切自らの手は使わず言葉のディレクション(指示)だけで進める人もいれば、自身でガッツリ手を動かす人もいました。
・・・それにしてもどうしてこれだけ業界によって違いが出るのか?ということですが、おそらくそれは『ディレクション』という言葉自体に理由があるかもしれません。
ディレクターには「監督」、ディレクションには「監督する」という意味があります。映画監督もADも、その仕事の内容はかなり違いますが、役割としては一緒なんですよね。
※アートディレクター(AD)とはより引用
極論ビジュアル(アート)を監督していく上で最終的に完成させられればよくて、アートディレクター自身がプレイヤーになるかマネジメントするかの判断自体も当人任せのためアートディレクターという仕事には幅広い働き方が存在するのでしょう。
ゲームのアートディレクターのメリットデメリット、やりがい
アートディレクターというのはどの作品・商品にとってもかなり大きな責任を持つ立場となります。仕事をする上でのメリット・デメリット、やりがいまで見ていきましょう。
メリット:アートディレクターになればあなたが直接創作をコントロールできるようになる
もっとも大きいメリットは、創作する上での映像やキャラクター関連の責任者になれることです。ゲームでも映像でもあなたが見せたいものを割と自由に表現していけます。
- 仕事の指示を自由に出せる
- 作業をふる相手を自分で決めていける
- 進捗具合を自分でコントロールできる
- 一般的な作業者より年収(報酬)がいい
例えば自分のようなゲームでイラストを監修するアートディレクターなら、イラストレーターさんたちを選んでどんな内容の絵を描いてもらうか指示し、提出物を監修して赤線で修正を入れて直してもらい仕上げていく・・・その一連の流れをすべて管理するのが主な業務でした。
また一般的な会社勤めの場合、イラストレーターの年収と比べるとアートディレクターは任されている立場や責任のためか1.25~1.5倍ほどの金額に設定されていることが多いです。
★絵の仕事の収入に関してより知りたいときは、イラストレーターの年収・収入が不安ならフリーじゃない道を選べ!も役立ちます。
デメリット:アートディレクターという立場の責任、多くを一人で見ることの重圧
素材の出来をみずから判断して決められるぶん、最終的には作品や商品のトップの責任者(監督やプロデューサーなど)に直接ダメ出しされることもあるのでモノを見る目や技術には一定の高いレベルが必要です。
さらにプレイヤーとしてどんなに技術があって優秀だったとしても、マネジメント・管理が苦手だとアートディレクター業務はなかなか務まりません。
- 背負わされる責任が一般の作業者より重い
- 上(監督やプロデューサーなど)と下(現場の大勢の作業者)の板挟みになることも
- 案件によっては異常に発注量が多く指示や管理作業だけで手一杯に
・・・とたしかに大変な仕事ではありますが、絵や映像など創造の世界で長く生きていきたいならいつまでも現場の作業者だけやっていられないのも現実です。
アートディレクターとしてしっかりとしたキャリアを積んでいけばあなた自身もクリエイターとして大きく成長でき、より多くの収入や実績を得ることへとつながっていきます。
やりがい:モノづくりで「あなたの世界」を構築していける
アートディレクターの仕事に初めてついたときは、それまでの指示された絵を描いているだけとは明らかに違う環境にかなりとまどったものです。
でも、少し慣れてくると自分の頭の中にあるものを自分以外の多くの優秀な人の力を借りながら現実化していく作業に魅せられました。
・・・もちろん上が望むものに応えられないと強い叱責も受けますが、自分自身で現場をコントロールしてモノづくりに関わる環境は毎日本当に楽しく刺激的でした。
長く絵を描く仕事をしていると描きたいものを描く機会が意外と少なく絵が嫌いになることもありましたが、アートディレクターになったことでずいぶん救われた気もしています。
まとめ
アートディレクターという業務は、人によってかなり向き不向きのある職種です。
他人やスケジュールを指導・管理することが嫌いならあえてやるべきではないですし、現場のイチプレイヤーでいたいならそのままいたほうが幸せな場合もあるでしょう。
でも、責任や重圧以上の大きな「やりがい」「刺激」「キャリア」「成長」がえられる仕事です。そしてあなたにとって大きな未来へとつながる道です。
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