どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
AIによるイラスト画像生成は、最近非常に注目されている分野の一つです。
この記事ではAIによるイラスト画像生成の基本的な手順や代表的なツール、応用例や可能性から注意点や課題について解説します。
目次
はじめに:AIによるイラスト画像生成とは何か?
AIによるイラスト画像生成とは要するに、人工知能技術を用いてコンピュータが自動的にイラスト画像を生成することです。
AIはさまざまな画像のデータを学習し、その内容をもとに新しいイラスト画像をつくります。
この技術を利用することで手描きのイラスト画像を作成するための専門知識がそれほどなくても、高品質のイラスト画像を簡単に作成できる(できてしまう)のがポイントです。
AIのイラスト画像生成は2022年中ごろから急にネットを騒がせ出しましたが、それはおもに『Stable Diffusion』というシステムの登場がきっかけでした。
Stable Diffusionとは?
Stable DiffusionはAIによる画像生成において、より高品質かつ効率的なイメージ生成を実現する手法の一つです。
通常の画像生成ではランダムなノイズから開始して徐々に生成される画像を調整する必要がありますが、Stable Diffusionはモデルに入力するランダムなノイズを徐々に増やすことで画像の生成品質を向上させます。
ただしStable Diffusionを使用する際にはモデルの構築やパラメータの調整などが必要で、専門的な知識が必要となる場合があります。今後さらに改善されて、より一般の人でも使いやすい効果的な画像生成技術の開発が期待されている状況です。
▼参考記事
AIによるイラスト画像生成の基本的な仕組みと手順
AIによるイラスト画像生成の基本的な仕組みは画像生成用のニューラルネットワーク(GAN)と呼ばれるモデルを使用することです、イラスト画像生成の手順は以下のようになります。
①データセットの収集▼
イラスト画像のデータセットを収集します。収集したデータセットは、AIが学習するために使用されます。
②データの前処理▼
収集したデータを前処理します。具体的には画像のリサイズ、クロップ、ノイズ除去などを行います。
③ニューラルネットワークの構築▼
生成器と識別器を含むニューラルネットワークを構築します。これには、モデルのアーキテクチャや学習率などを設定します。
④ニューラルネットワークの学習▼
データセットを使用してニューラルネットワークを学習させます。学習にはGPUを利用することが一般的です。
⑤生成画像の出力▼
学習したモデルを使用して、ランダムベクトルからイラスト画像を生成します。
・・・以上がAIによるイラスト画像生成の基本的な仕組みと手順です。さらに最近では、より高品質で効率的なイラスト画像生成技術の開発が進んでいます。
今後も確実に発展を繰り返し続け、生成できるイラストの精度も早さも量もますます高まっていくでしょう。
文章や画像さえ用意すれば誰でもイラストが生成できるとだけ、ひとまず覚えておきましょう!
代表的なAIイラスト画像生成ツールの紹介と比較
AIによるイラスト画像生成には様々なツールが存在します。ここでは、代表的なAIイラスト画像生成ツール4つの特徴を見ておきましょう。
①DALL-E(ダリー)
DALL-EはOpenAIが開発したイラスト画像生成ツールです。自然言語での入力を受け付け、その内容に基づいてイラスト画像を生成します。
例えば「赤い円と青い四角形が描かれた黄色い鳥のイラストを生成してください」という要求をすると、DALL-Eはその要求に基づいたイラスト画像を生成します。
②StyleGAN
StyleGANはNVIDIAが開発したイラスト画像生成ツールで、高品質のイラスト画像を生成することができます。
ユーザーは画像のスタイルや特徴を指定することができ、例えば特定の動物のイラスト画像を生成することができます。
③GPT-3
GPT-3はOpenAIが開発した自然言語処理のAIですが、文章の内容に基づいてイラスト画像を生成することができます。
・・・紹介した3つについてまとめるとDALL-Eは自然言語での入力によるイラスト画像生成に優れていますが、StyleGANは高品質なイラスト画像の生成に優れています。
またGPT-3は文章に基づいたイラスト画像生成が可能であるため、イラスト画像生成と自然言語処理の両方の要素を備えています。
AIイラスト画像生成の応用例と可能性
AIによるイラスト画像生成は、現在すでにビジネスや芸術などの分野で幅広く活用されはじめています。
例えばWebデザインやマーケティング、出版業界などではイラスト画像の制作に時間やコストをかけずに済むため大きなメリットがあるでしょう。
またAIによるイラスト画像生成は、クリエイティブな活動においてもこれまでにはない大きな可能性を秘めています。AIが生成したイラスト画像をアーティストが手直しすることで、新しい芸術作品を生み出すことも可能です。
映像制作においても有用で、3D映像のテクスチャー作成などにも応用され高品質な映像制作にも役立つでしょう。
AIによるイラスト画像生成の有効活用は、今後も増えていくことが期待されています。
これまでにないクリエイティブな作品や新しいビジネスモデルの創造につながり、社会に大きなインパクトを与えることができるでしょう。
ただしAIの技術的な圧倒的な進歩とともに、著作権や倫理観などさまざまな問題解決に向けた研究や適切な利用方法についての議論も必要になるのは間違いありません。
AIイラスト画像生成における注意点と課題
AIによるイラスト画像生成はすでに様々な分野で活用されている一方で、大きな注意点や課題も存在します。
最後に代表的なものをいくつかおさえておきましょう。
倫理的な問題
まずAIによるイラスト画像生成における注意点として、倫理的な問題が挙げられます。
AIが生成する画像には意図しない人種や性別などの偏見が反映されてしまうことがあります。また、著作権侵害やプライバシー侵害の可能性もあるのが現状です。
画像の品質や速度
次にAIによるイラスト画像生成の課題として、画像の品質や生成速度が挙げられます。
現在のAI技術ではどうしても生成される画像の品質がまだまだ不十分な場合があります。また生成速度が遅いため、ビジネス面など実用的な応用にもまだもたつくでしょう。
雇用機会の減少
最後に、AIによるイラスト画像生成は自動化が進むことによりクリエイティブな分野での雇用機会が失われる可能性もあります。
ただ逆にAI技術を積極的に活用することで、新しいクリエイティブな分野が生まれることや新たな雇用機会を創出することができるともいえます。
これまであった仕事がなくなる一方で新たな仕事も生まれてくるのであれば、人類や職種の新陳代謝としては仕方なのないことなのかもしれません。
まとめ
AIによるイラスト画像生成は画像制作やクリエイティブな活動だけでなく医療、教育・・・などありとあらゆる分野で現在活用されていてその可能性は年々拡大しています。
しかし上にも書いた注意点として、倫理的な問題や課題として画像の品質や生成速度が挙げられます。
これらを解決するためには倫理的な観点からの設計や運用、AI技術の進歩やハードウェアの改善が必要となるでしょう。
AIによるイラスト画像生成は今後もさらに進化し、社会に大きなインパクトを与えることが期待されるでしょう。
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