どうも、アートディレクターのハシケン(@conteanime)です。


上の画像の【キャラデザ】というアニメタッチの全身似顔絵商品で、毎月限定6名様までの受注制作の形で販売しています。
表情も変えられる似顔絵というのが最大の売りで、ビジネス・ブログ用のブランディングツールとして個人事業主・経営者・開業医・ブロガーなど多くの方に幅広くご好評いただいています。
今回は似顔絵イラスト制作業者の一人として、これさえ知れば初心者でも必ず上手くなるという似顔絵イラストを描くコツを商品制作の実例・こぼれ話も交えながら詳しく解説します!
目次
- 1 似顔絵イラストを描いても似ない3つの主な原因
- 2 似顔絵イラストの描き方手順と13のコツ
- 2.1 ☑ デフォルメされたかわいい似顔絵か、リアルな再現度の似顔絵か?
- 2.2 ☑ 頼まれて描く場合は相手の要望を聞くことから始めよう
- 2.3 ☑ 写真から相手の内面のキャラクター性を想像しよう
- 2.4 ☑ 複数の写真を参考にして多面的に描こう
- 2.5 ☑ 他と違うその人ならではの特徴を見つけだそう
- 2.6 ☑ 目立つ特徴は誇張して強く印象付けてもいい
- 2.7 ☑ 5つの似顔絵必須要素を意識しよう
- 2.8 ☑ 髪型と輪郭が似れば7割出来たも同然!
- 2.9 ☑ 作画ツールはデジタルが絶対おすすめ!
- 2.10 ☑ 色も最大限合わせよう
- 2.11 ☑ 半身でなく全身で体型まで含めて描いてみよう!
- 2.12 ☑ 小物や服装も取り入れよう
- 2.13 ☑ 描いたら最後に4つのチェック項目をおさえよう!
- 3 似顔絵イラストを描くときに大事な6つの心構え
- 4 似顔絵イラストをうまく描くコツのまとめ
似顔絵イラストを描いても似ない3つの主な原因


パーツの形状が違う

目・鼻・口、など目立つパーツの形状が違うせいで似ないのはよくあることですが、同じくらい重要な部分が髪型と顔の輪郭です。

最後の詰めとして髪や輪郭をちょっとバランス取ることで一気に似る場合も多いので、ぜひ意識してみて下さい!
配置のバランスが実物とズレている
顔の輪郭の中において、目・鼻・口などを置く場所も非常に重要です。

目と目の間はどのくらい離れているか、輪郭からの距離、口と鼻の間、おでこの広さ・・・それぞれの距離や比率がいいバランスで収まっていないといくらパーツごとに上手く描いてあっても一個の似顔絵としてなかなか成立してくれません。

細部も大事ですが、全体を通して受け取る印象がとにかく重要だと知っておきましょう!
その人ならではの特徴をきちんと再現できていない
人にはみなそれぞれ固有の特徴があります。目の形だったり、大きさ、鼻の形状や、頭の形、体型、全体的なバランス・・・などなど。

写真をもとに似顔絵を描こうと観察すると普段気づかなかった部分が見えますが、他の人にないその人だけの特徴を取り出して再現できるかどうかは似顔絵が成立する鍵にさえなります。

似顔絵イラストの描き方手順と13のコツ


☑ デフォルメされたかわいい似顔絵か、リアルな再現度の似顔絵か?
まず大事なのは、かわいいかリアルかです。
慣れないうちはもしかすると、下手にデフォルメしようとするよりも写真からそのまま写し取ろうとする意味でリアルのほうがやりやすいなんてこともあるかもしれません。
ちなみに当サイトの商品では、キャラクター性の強い2頭身か似せ度合いの高い3頭身かを最初の注文時に選ぶことから始めてもらっています。


リアルにするかコミカルにするかは、基本的に相手の用途・要望に合わせて決める部分です。

☑ 頼まれて描く場合は相手の要望を聞くことから始めよう
どんな表情がいいのか、何に使いたい似顔絵か、見る人にどんな印象を与えたいのか・・・などなど似顔絵にこめる想いは人それぞれでしょう。

そのうえで、あなたが描くからこその個性や意味などを持たせていけるといいですね。
☑ 写真から相手の内面のキャラクター性を想像しよう
写真から似顔絵イラストを描く事が多いと思いますが、モデルさんの内面のキャラクターまで想像しながら描くと再現度合いは自然と高まります。


・・・などなど、写真からは様々なイメージが読み取れます。
内面の深いところまでくみ取ろうとすると、描く際も自然と外面だけではない部分まで引き出せます。

その姿勢と想いが、丁寧な描写として結果的にイラストにも表れてきます!
☑ 複数の写真を参考にして多面的に描こう
なるべく写真一枚だけで描かず、メイン以外に角度の違う何枚かも併せて参考にしましょう。
一枚の平面写真だけだと判断つかないパーツも多いので、複数でイメージを補完しつつフカン的に印象を掴んでいくことでモデルのイメージにさらに近く寄せていけます。

☑ 他と違うその人ならではの特徴を見つけだそう
・・・当サイトではこれまで何十名もの方をモデルに似顔絵キャラクターをデザインしてきましたが、どの部分をとってみても人によって全く違っていました。

むしろ、そういう部分をまず見つけてあげることから似顔絵を描くという作業は始まるのかもしれません。

☑ 目立つ特徴は誇張して強く印象付けてもいい
似顔絵の定番の描き方として、特徴を強烈に誇張する方法があります。
唇の厚めの人なら顔の半分くらいを唇にしたり、歯並びが良くなかったら実際以上にガチャガチャにしたり、目の小さな人はゴマ粒のような目にしてみたり・・・特徴を取り出してアピールするのは似せる基本なので方向としてはやり方の一つとして有効です。
描かれた側が不快じゃない前提のもとなら強烈に誇張するやり方はありです、特徴を際だたせるのでイヤでも似てると感じさせられるでしょう。

☑ 5つの似顔絵必須要素を意識しよう

位置
・・・目鼻口を輪郭内にどこにおくか、どうすれば写真と似てくるか?
大きさ
・・・パーツは正しい大きさになってるのか、絵として不自然でないサイズになっているか?
距離
・・・輪郭や額からの距離、パーツ同士の距離が実物と乖離していて似てないんじゃないのか?
比率
・・・比率は正しいか、本当は目のほうが鼻の横幅より大きいんじゃないか? 口は鼻よりそこまで大きいのか?
傾き
・・・タレ目かつり目か? 口角はもっと下がってる方がいいんじゃないのか、眉の傾きはそれで似てるのか?
☑ 髪型と輪郭が似れば7割出来たも同然!

髪型は分け目を合わせたり、長さやボリュームを合わせることが似せる上で特に重要です。
また輪郭に関しては、
- 卵型
- まんまる
- 四角型
・・・など、ざっくりどんな形に当てはまるのかを強く意識して進めていきましょう。
☑ 作画ツールはデジタルが絶対おすすめ!

似顔絵イラストはアナログよりデジタル作画が絶対にオススメです。


アナログでは面倒な直しも、デジタルならパーツごとに調整が簡単にできます。顔だけ細くしたり、目をちょっと大きくしたり、鼻を伸ばしたり・・・。

当サイトの商品も詰めの作業は、拡大縮小など細かい調整を部分ごとに何度も何度も繰り返しながらモデルに寄せていきます。

デジタル絵の完全初心者さんは『CLIP STUDIO PAINT PRO』がおすすめです。

★・・・またもしあなたがデジタルで絵を描く最初の一歩で詰まっているなら、当サイト主催の【デジ絵ワークショップ】に参加してデジタル絵の描き方の基本をわずか240分で理解してください!


☑ 色も最大限合わせよう
肌の色や髪の色もしっかり本人の写真に合わせることで、リアリティを出していくことができます。


コミカルキャラでも色をあわせていくと説得力が増すのでおすすめです!
☑ 半身でなく全身で体型まで含めて描いてみよう!
顔だけやバストアップだけだと、みすみすその人の特徴を大きく逃していることにもつながります。

当サイトの商品は全身似顔絵として販売していて、体型も再現することでより一層本人の雰囲気に近づけていきやすい仕様にしてあります。

☑ 小物や服装も取り入れよう


顔だけじゃ個性が薄いと感じる場合でも特徴的な小物や服装を加えて描くことで近づけていけます。体型と絡めて再現すれば、顔がちょっと似てなくてもその人にしか見えなくなったりするものです。
ただし、使い回しのとってつけたような体では安っぽくなって逆効果です。

絵柄にもよりますが小物を描く時はキャラとのバランスに気を配りましょう、似顔絵キャラを見せたいのか派手な小物に目をむかせたいかで表現はまったく変わってきます。
☑ 描いたら最後に4つのチェック項目をおさえよう!
- 顔の輪郭の形は似ているか?
- 髪型は似ているか?
- 目と眉のバランスはあってるか?
- 鼻と口の比率はおかしくないか?

似顔絵イラストを描くときに大事な6つの心構え

最後にまとめとして、似顔絵を描くときに知っておきたい心構えを6つ紹介します。
相手に喜んでもらえるような似顔絵を描こう
人の似顔絵を描くうえでは様々なきっかけがあると思いますが、モデルとなる人が喜んでもらえるようなものを描くことをぜひ心がけてみてください。
・すごい素敵。こんなに知的でいいのかな?というくらいです。もう感動してます。(°▽°)
・デザインはもちろんですが迅速丁寧な作業に大変感謝しております。今後とも機会がございましたらよろしくお願いいたします
・キャラクターの作成ありがとうございました。新たな自分のキャラクターが出来上がって、非常に満足しております。
※【キャラデザ】納品時のお客様の感想メールより引用
そう思って描くだけで相手のいいところを多く引き出すことが出来ます、仕上がったものもきっと優しい出来になるはずですよ。
必ず描かれた相手の気持になってみよう
似顔絵イラストを描かれた側がどう思うかは非常に重要です。
自分を馬鹿にしてもらいたいから描いてくれなんて考える人はまずいません、ましてそんなイラストを渡されてどうしたらいいんでしょうか?

似顔絵は人の感情を左右する繊細なジャンルです、凶器にもなりえます。ムダに人を傷つけないようにしましょう。
・・・コンプレックスをことさら誇張されて嬉しいか?
ページ上部でも書きましたが特徴をおもしろおかしく際立たせる似顔絵の手法があります、でもそれは同時に相手のコンプレックスを強調することに直接繋がります。
たとえば片目が一重で片目が二重という人もいます、はたから見てると気にならない部分に感じるかもしれないですが実は本人がすごく気にしてる可能性だってありえます。
ほくろをチャームポイントと感じてるのか、欠点と感じてるのかも人によります。歯並び、目の大きさ、鼻の高さだって個人個人で全く異なるはずです。

特徴としてある程度活かすのはいいとしても、コンプレックスと感じてるかもしれない部分については先に確認するか配慮しつつ描くようにしましょう。
前向きにいい部分を強調してあげよう
ベタですがモデルの人に喜んでもらうために有効なのは、こころもち美化しながら描くことです。
やりすぎて似なくなったら元も子もないですが・・・許容範囲内でかわいく、かっこよく、きれいに描くのは最低限のマナーとも言えます。

似顔絵の目的を意識しながら描いてみよう


似顔絵を頼まれて描くなら、あらかじめ使用目的は何かまで知っておくと制作する上で役立ちます。用途に合わない仕上がりにしてしまわないためにも、描く前にかならず一度は確認しましょう。
人の顔によって仕上がりのクオリティは絶対に変わると割り切ろう
顔は様々です、人の数だけ顔の種類があります。

描きやすい人もいれば妙に描きにくい相手もいるでしょう。人間ひとりひとりの造形が異なる以上、似顔絵ごとの仕上がりの質は細かい部分では全て同じには絶対にできません。

練習を繰り返そう
・・・ここまでの要素を理解しながら、あとはひたすら数を繰り返していきましょう。
その時はぜひ、漠然とやるんじゃなくしっかりと『考えながら描く』事を意識しながら進めてみてください!
似顔絵イラストをうまく描くコツのまとめ

似せることと同じくらい、相手に喜ばれることも念頭におきながら描くと結構うまくいくものです。心は絵に直接影響します。
絵の細かい技術も大事ですが、対人間の気配りや思いやりのような部分が意外と似顔絵でいちばん大事なコツなのかもしれませんね♪