どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
絵が少し描けるようになってくると、ある日突然【壁】にぶつかることがあるでしょう。
もしかするとそれは、あなたの中の『構図の引き出しの限界』と『画力の上限』にぶつかったのかもしれません。
厄介な【壁】を乗り越えるには、新たな知識と技術を仕入れていく必要があります。
今回は、多くのイラストレーターを監修してきたアートディレクターの目線から見た絵やイラストの構図の上達方法を詳しくまとめます。
目次
プロのイラストレーターだって苦しむイラストの構図問題
仕事でスマホゲームのイラスト監修をしてると、プロのイラストレーターでも構図がいまいちなことはそこそこ見かけます。
イラストの構図は、正解がいくつもある中でより魅力的な選択を見つけ出す作業と考えるべきでしょう。
『構図』と『レイアウト』の違いをまずしっかりとおさえておこう
「構図」は、基本的にフレーミング(画面にするとき、どこを切り取るか、どれぐらいの大きさにするかを決定すること)とカメラアングル(=アイレベル)の2つで成立します。「構図」は、画面の全体構成であり、一番最初に決定されると言っていいでしょう。
「レイアウト(layout)」というのは、画面内の物体をどこに(where)どう(how)配置するか、ということです。人をここに配置して、木はこっちへ…みたいな感じで、全体に影響を及ぼす部分的な画面の設計と言えます。
※GOMISTATIONより引用
構図はキャラの大きさや見た目の角度、レイアウトは画面全体におけるキャラも含めたモノの配置、そんな認識でいいでしょう。
イラストの構図に悩むということは、要はキャラをどんな状態で見せるかで悩んでるわけです。
構図に悩む場合は、おそらく次の2つの状況が考えられます。
かっこいい&かわいいイラストの構図を描くための絶対的画力や勉強が不足している
まだまだ絵の経験値が絶対的に足りてなければ仕方ありません、気づけたぶんよしとしましょう。今後構図を勉強していく中で画力も高まっていくので、そこまで悩む必要はありません。
コツとしては、これまであまり描いたことない構図を意識的に描くようにしていけば技術向上は早くなります。
そして絵を描く際には『考えながら描く』クセを必ず意識していくようにしましょう。漠然と描いているだけでは、なかなか成長が早く進んでいきません。
★考えながら描くことに関しては、絵やイラストが上手くなる方法を現役アートディレクターが伝授!に詳しくまとめています。
かっこいいイラストの構図がなにも思いつかない、そもそも浮かばない!
元々映画や漫画が好きで自分でもそんなシーンが描きたいと思っていればある程度の引き出しがあるでしょうが、そのようなストックが少ない場合はイメージが湧かなくても当然です。
イメージが足りてない状況に対処するにはどうしていくべきか? 次の章から対処法や考え方を見ていきましょう。
イラストの構図の参考になる引き出しが少ない場合の対処法や考え方
好きな作品からイラストの構図に関する知識や考え方を吸収していこう!
映画や漫画、実写やアニメなんでも構いません。pixivやファッションサイト、ポーズ集もいいでしょう。
人物をどうやって魅力的に見せようとしているのか、そのためにどんな構図を用いているのか、意識しながら見ていきましょう。
アニメや映画は連続した絵で動画を作っているぶん、絵と絵の『繋がり』という概念が重要視されます。逆に一枚絵のイラストは、純粋に一枚だけでキャラの魅力や背景を見る人に伝える必要があります。
自然と見せるための情報量は変わってきますし、構図にも反映されていきます。その違いも気にしながら見ると理解が深まるでしょう。
写真やアニメ・映像の構成や有名な構図も参考にしつつ前進しよう!
当然ながら写真における構図の考え方は、絵やイラストに活かせるものが非常に多いです。
上記のサイトさんにわかりやすくまとまってるので、一度見ておくといいでしょう。
とりあえず知っておくだけでいいので、こだわりすぎず描いていってください!
基本的にある程度絵が描けるようになってくると、自然と写真構図を意識した絵にたどり着いていくものです。
早い段階で写真的な見せ方を気にしすぎるよりは答え合わせのように考えるといいでしょう。悩んだ時のちょっとしたヒントのようなとらえかたでもいいですね。
イラストの構図に困ったときはデッサン人形やフィギュアも使って実際に配置してみよう!
3次元のものを使って構図を決め2次元の絵に落とし込んでいく練習は、多くやっておいたほうが技量は上がりますし立体のモノの構造の理解にもつながりやすいです。
わからないからとあきらめるんじゃなく、人形でも資料でも見てなんとか最後まで描き上げることが上達への近道です。
デッサン人形を使って描くときも漠然と見たまま描くんじゃなく、持って動かしながら・・・
・・・などなど好奇心を強く持って進めていけば、あなたの中に蓄積される情報量はまったく変わっていきます。
ぜひ、意識して進めていって下さい!!
イマイチ構図が思い浮かばないならデジタル要素も活用しよう
パソコンで絵を描いてるなら、キャンパスをぐるぐる回したり細かな調整を行ってより良いものを目指す工夫を行いましょう。
少しでも早くデジタル習得したいときのおすすめ手段とは?
デジタルやクリスタで自由に絵を描くにはいくつかの知識と技術も必要です、でも独学だけで進めていると自分が取り組んでいることが正解かどうか判断つかずにムダな時間がかかりがちです。
実は絵やデジタルが早く上手くなりたいなら、絵のわかる第三者からアドバイスを受けながら練習する方が圧倒的に近道なんです。
せっかくデジタルの機材をそろえたのに絵を描く手順やソフトの操作がわからない、思うように描けない…と悩むなら一度「イラスト講座」で教わるとデジタルの理解やその後の成長がだいぶスムーズになるでしょう。
以下ではイラスト初心者さん~中級者まで人気の講座を例として紹介するので、思うように上達できず悩んだら参考にして下さい。
「イラスト・マンガ総合講座」
公式サイト:https://human-yakan.com/
全国展開している大手専門校「ヒューマンアカデミー」が一般の人向けに運営している『イラスト・マンガ総合講座』は講義や添削を通じアドバイスをもらいながら学べるので、独学のような不安や心細さも少なく実力アップをめざせます。
通いもありますが、最近は便利なオンラインや動画講座が多く利用されています。個人の好きなタイミングで学べるため、仕事や家事で忙しい人でもスキマ時間に自由なペースでイラストの技術を伸ばしていけるでしょう。
質問は講師に直接聞く以外に24時間対応のチャットまであるので、一人で絵を描いてて悩んでもすぐ疑問を解消できます。また受講終了後も教材が手元に残るので、苦手な部分も克服していきやすいでしょう。
学校運営だから当然かもしれませんが、絵の基本からデジタルスキル・キャラクターデザイン…など描いて楽しむ技術・知識をこれほど幅広く身につけられる講座は他にそうありません。独学でムダに遠回りせず、早く着実にうまくなりたい人に特におすすめです。
写真として切り取るイメージを持て!
絵を描く際の背景の切り取り方や、風景に対するモノの構図を決めるためになんとなくしていたと思いますが再度利用してみるのもいいでしょう。
アニメは基本的にすべての絵の後ろに背景がつきますが、要はあの要領で背景ごとキャラを切り取るクセをつけていくということです。
キャラ単体で考えると、構図が浮かびにくかったり描きにくかったりする面がどうしてもあります。逆に背景と一緒に切り取ることで、より自然な印象で描くことができるかもしれません。
まとめ
構図は無数にある可能性から一番正解に近いものを探し出すので、一口にこれが良いと言うのはなかなか難しいものでしょう。
ただプロでもつねに悩む部分なので、経験の浅い立場ならできなくて当然です。絵を描き始めてたいして時間が経ってないならあまり気にせず、リラックスして色々試してみる方がいいでしょう。
むしろ多く悩んで試すことで、将来のあなたの画力向上に大いにつながっていきます。
絵は楽しく描けなくなったら終わりとよく言われますが、それ以前に向上心を失ってしまえば成長はのぞめません。
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