どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
今は絵と関係のない仕事をしてるけど本当はイラストレーターになりたかった・・・絵を描く仕事につきたかった、そんな人も多いんじゃないでしょうか?

ということで今回は【30歳からイラストレーターになるには?】というテーマで、ある程度大人になってから絵の仕事に進んだり転職するときのコツを実体験も交えて紹介します。

目次
よくあるイラストレーターのなり方

※一般的なイラストレーターのなり方と進み方
イラストレーターはシンプルに言えば望まれる絵が描ければ成立する仕事でもあるので、なり方も人によってさまざまです。
上の画像のように専門や美大を出て一直線にイラストの仕事に進む人もいれば、趣味で描いた絵が企業の目に止まり仕事をもらうようになる・・・あるいは会社に誘われることもあります。
絵の仕事自体に資格がないので、何歳からでもやれる可能性はあります。でもあまりに遅く始めようとした場合、特に会社に勤めたいなら年齢制限的なものもないわけじゃありません。
【30歳】というのはそういうイミでも、非常にわかりやすい分岐点と言えるでしょう。

フリーイラストレーターと、社員イラストレーター

★YouTube【ハシケンちゃんねる】より抜粋
絵やイラスト関連の仕事は、フリーでやる場合と会社で働く場合の2つに大きく分かれます。
まずフリーなら副業でも出来ますし、仕事の量も自由に進めていきやすいです。反面自分から営業を仕掛けたりSNSを使って外に発信したり、あるいはストックイラストやココナラなどで自発的に進めることも必要になるかもしれません。

逆に社員の場合は入社した会社の業務に沿って進めるので、基本的には会社員として上司やリーダーから指示をもらって絵を描いていくシンプルな流れになります。
どれを選ぶかは絵に対する考えや生き方、希望の働き方次第になりますが・・・
- フリーで本業を目指すなら、むしろ先にまず絵の仕事の社員として働いた後に独立してフリーになったほうが仕事の知識や人脈も社員時代に築けてラクかもしれません。
- 副業として別の仕事をしたままちょっとした絵を描くイラストレーターになりたいなら、自分のペースで進めていけばOKでしょう。
- 社員として会社に属して描いていくなら、新卒以外は中途採用で入る形になります。入社前にデジタルスキルを身につけたり絵のレベルをなるべく上げておきましょう。

ちなみにフリーはなり方も進め方も少し幅が広すぎるので、以降はあくまで社員として絵やイラストの仕事をする話に絞って進めます。
画力や技術・知識に自信ないならまずきちんとレベルアップしておこう!

※当サイト主催の一日イラスト講座の様子
30歳から絵の仕事に就く、イラストレーターになるぞ!と意気込んでも・・・肝心の画力がどうにもならなかったらさすがにムチャです。
ここまで特に大きな実績がないなら、面接の応募などで提出するポートフォリオでしっかりしたスキルを見せられないとただお祈りされて終わるだけでしょう。
画力や技術にかなり自信がある人ならともかく、そこまでではないけど絵の仕事に転職したい・・・と思うなら事前にしっかりレベルアップしておく必要があります。

①学校を利用する
芸大・美大、もしくは絵やイラストの仕事に特化した専門的な学校などに入り、技術や知識を身につけたうえでイラストの仕事につく人は現在圧倒的多数です。

進路にすすむためにその道にくわしい講師から必要なことを教わり、現状足りてないことや弱点も見つけられて成長するにはうってつけの環境だと言えるでしょう。
以下では実際にイラスト関連で就職実績や人気の高い学校を例としていくつか紹介しておくので、参考にしてみてください。
①代々木アニメーション学院
公式サイト:https://www.yoani.co.jp/
42年の長い歴史と高い知名度をもつ、エンターテイメントに特化した有名校です。12万人以上もの卒業生がいて業界内に無数のパイプがあるので、就職活動時だけでなく働きだしたあとも人脈に助けられたり心強く感じる機会が多くなるでしょう。
アニメ・ゲーム・イラストなどエンタメ関係者と密接につながっている状況を活かして、各業界でいま求められている最新技術や設備をすぐ学び吸収できる環境が人気です。単なるイラストスキルにとどまらず実践的な能力を身につけられるので、即戦力のプロとして成長していけます。
環境や学べる内容が充実していることから最近は絵の仕事に転職したい社会人も多く利用していて、働きながら学びやすい夜間・土日や週一のコースなどが特に人気を集めています。
②ヒューマンアカデミー

©2022 Human Academy Co., Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト:https://ha.athuman.com/
職場で役立つ実践的能力が身につけられる環境を重視していて、頑張り次第では在学デビューや早期内定も可能です。インターンシップ(在学中の職業体験)を経験した学生の7~8割は通った企業にそのまま就職・アルバイト採用されている実績もあるので、就活時の不安も少ないでしょう。
全国に18校展開しているので地方在住でも通いやすく、都心部のイラスト仕事情報も共有できて不利に働きません。イラストレーターや漫画家など80名以上ものプロの現役クリエイター講師による少人数制授業が評判で、苦手部分も一人ずつによりそった指導で克服に導いてくれます。
また昼間の授業以外に夜間・週末講座も運営されていて、学校より費用や時間をおさえて絵が上達したい人や絵の仕事につきたい社会人にも多く利用されています。直接通えない人向けに『通信講座』も用意されているので、希望にあった学び方が実現できるでしょう。
③アミューズメントメディア総合学院

COPYRIGHT © アミューズメントメディア総合学院 All rights Reserved.
公式サイト:https://www.amgakuin.co.jp/
他の学校と大きく違う特徴としては学内に「出版事業部」がありマンガ・イラスト本などを外部企業と連携して企画・商品開発を行っていて、学生の貴重なデビューチャンスにもなっています。
学習過程で実際のコンテンツを創り在学中から商品として市場に送りだせる、きわめて実践的なスクールです。校舎こそ東京・大阪の2箇所のみですが、反面業界就職率94%と高い実績を誇っているのもうなずけます。
卒業後の進路・職種にも幅広く対応していて、生徒一人ひとりの適正を見きわめた徹底した個別指導でデビュー&就職のサポートをしてくれます。将来の悩みや不安も、丁寧に相談に乗ってくれるので安心でしょう。
②イラスト通信講座・イラスト教室を利用する
学校より必要な時間と費用を落としつつ、プロの講師から直接教わることができる講座や教室を利用する手もあります。

実際にプロへ進むための場もあるので、カリキュラムがあなたのやりたいことに適しているか見定めた上で利用するといいでしょう。
以下では最近人気のイラスト講座を例として紹介しておくので、興味があれば公式サイトや資料請求などで確認してみてください。
公式サイト:https://human-yakan.com/
専門学校でも紹介した「ヒューマンアカデミー」が一般の人向けに運営している『イラストマスターコース』は一人ひとりに合わせた細かい指導が評判で、添削を受けてアドバイスをもらいながら絵の描き方やデジタルスキルを基礎から学んでいけます。
通信講座形式で学べるので、ふだん忙しい人でもあいた時間に学びやすいペースでイラスト技術を高めていくことが可能です。豊富な量の教材は受講終了後も手元に残りDVDで復習もできるので、苦手な部分も克服していきやすいでしょう。

※独自教材は他イラスト講座を圧倒しています
学校運営だから当然かも知れませんが、絵の基本からデジタルスキル・キャラクターデザイン…など絵やイラストの実践的な技術/知識をここまで一通り身につけられるイラスト講座は他になかなかありません。
専門学校ほどとはいかないまでも、将来のキャリア相談をすることもできます。基本的に2年通う専門学校より少ない期間で学べ費用も学校の2割ほどですむので、なるべく時間や費用を短縮しながら上達していきたい人には特におすすめです。
絵の仕事を遅く始めるメリット・デメリット

★YouTube【ハシケンちゃんねる】より抜粋

まずわかりやすいところで、デメリットから見ていきましょう。
遅く絵の仕事を始めるデメリット
- 慣れるまで大変
- スキル・経験不足で苦しむ
- 若い上司から教わる状況も
- 出世に時間がかかりがち
中途で未経験の業界に入った状況を想像してもらえると想像しやすいと思いますが、絵の仕事なので余計に技術面でついていけるかどうかでまず悩まされます。
また若い頃から働いてきた人に比べれば給与がおさえられた状態で始まるので、年齢的な平均給与に届かせるにはしっかりレベルアップしていく必要もあるでしょう。

遅く絵の仕事を始めるメリット
- 他の世界も知っている
- 会社の雑務に抵抗少なめ
- 描いてるだけで楽しい!
新卒ですぐ絵の仕事に入る状況と比べると異業種で働いてきた分の経験があるので、それが役に立つことは何かしらあるでしょう。
また絵を描く仕事の人には絵と関係ない社内の雑務を一切やりたがらない人もいますが、その辺も気にならず割り切ってやれることが多いかもしれません。

・・・自分も30歳ではじめて絵の仕事の会社に入ったときは、ぶっちゃけると月額20万の試用期間3ヶ月からのスタートでした。
元々は漫画家を目指してたけど入った会社はパチスロの開発会社で、アニメの動画を描くのが最初の業務でしたが漫画とアニメは似たようで全然違う仕事なんで当初はなかなかキツかったです。
でも絵を描いて収入を得られるってことでやりがいは大きかったし、キツイ先輩もいたけどなんだかんだ楽しかったんですよね。

その後は原画も描いたり、キャラクターデザインをするなど経験を積みながら数社でじわじわキャリアを重ねていって現在に至る・・・という流れでした。

結局、その人の考え方ひとつなんじゃなんですよね
5年、10年先を見据えた【戦略】をもって進んでいこう!

★YouTube【ハシケンちゃんねる】より抜粋
・・・たとえば30歳で運よく絵やイラストの仕事につけた場合、20歳で専門新卒で入った人達からするとその時点ですでに10年の差があります。

40歳になった時点で業界10年のキャリアか、20年のキャリアか・・・って聞くと印象だいぶ違いませんか?
この差ってやっぱり大きいんです、だいぶ遅れて入って果たしてその差を埋めていけるか・・・は結構深刻なテーマです。
だからこそ、差を埋めていく働き方・実績の積み上げ方・価値の向上を目指す必要があるでしょう。
また40歳というのは絵を描く仕事にとって実は結構大きな節目です、ちなみに自分もそのくらいに最後の会社を希望退職で独立して個人事業主になりました。

絵の仕事で30歳も後半になってくると、絵柄自体もだいぶ固定化されて新しさを受け入れにくくなってくるのが普通です。高いデッサン力のある人でも、今風の絵が描けなくて仕事が減っていくことも少なくありません。
『絵の世界で40歳以降どうやって生きていくか?』何も考えないままその年齢を迎えたと想像したら、結構絶望的な感じがしませんか・・・??
実際このテーマは30歳から始めたというより絵を仕事にした人全てに関わることですが、
- 絵でどこまで、何がやれるのか?
- 年令を重ねたあとでどんな展開があり得るか?
・・・この辺については、遅くとも35歳位からはまじめに考えていかないとそのうち行き詰まります。ひたすら絵を描く1プレイヤーから管理側に移行していくことも、社内で生き残るならまず最初に考えたい要素でしょう。
今は世界的に経済が不透明ですし、戦争や感染などワケのわからない状況が続いています。
そんななかではたして絵を使ってどこまでやっていけるのか?何ができるか?というのは絵描き一人ひとりにとって大きい、非常に深刻なテーマになっていくはずです。
もちろん絵を仕事にした当初は純粋に目の前の仕事を楽しんでいいんです、でも次第に色々な現実が見えてきます。

まとめ

絵やイラストの仕事はたしかに何歳スタートでも絵のスキル次第でどうにかなる部分はありますが、少しも甘くない世界だというのは改めて覚悟しておくべきでしょう。
運良く中途採用で入れても、スキルが足りなかったらそのうち切られて終わりです。
絵の仕事は大きなやりがいのある道ですが、そのぶん大変だったりしんどいことも多いです。技術やセンスを常に磨き続けて、今の時代・流行りに合うものを提供し続けるのは本当にキツイことです。
さらに今後数年間でもっと大きく動きそうなAIの影響で、絵の仕事の価値そのものが一変する可能だって十分あるでしょう。

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