どうも、元ゲームイラストアートディレクターのハシケン(@conteanime)です。
マスコットキャラクターを使ったマーケティング活動はすっかり当たり前になりました。
とはいえ実際に成果を出すにはある程度の予算と期間を要するため、なかなか中小企業では積極的に取り組めてないようです。
大企業と渡り合う時に有効に働くのが【キャラクター・マーケティング】の大きなポイントです。
成功するためには、キャラクターデザインの魅力と明確な戦略が欠かせません。
キャラクター・マーケティングとはどんなもので、企業は具体的にどうしていけばいいのか? 詳しく解説していきます。
目次
定義とメリット
企業がビジネスにマスコットキャラクターを用いる場合、キャラクターをデザインして終わりじゃなくどんなキャラを使って具体的に何をするかが最も重要です。
キャラクターマーケティングとは、キャラクターを導入することにより、企業の製品の差別化や販売促進を図る比較的新しいマーケティング手法です。またキャラクター自体の人気が高まることにより、その価値が生まれ、新たなビジネスチャンスを得る可能性をも秘めています。
※キャラクターマーケティングの必要性 マーケティングより引用
とある調査によると【キャラクター】という存在自体に不快感を感じる人は一割ほどしかいなかったそうです。
それくらい日本人にはキャラクターという存在が根付いています。古来よりの文化的側面や、漫画・アニメなどの発展も大きかったでしょう。
企業がマーケティングにキャラクターを用いるメリットは、年を取らず、スキャンダルも起こさず、コントロールも自由自在という三点になるでしょう。
逆にデメリットは、企業の顔として定着させるまでの予算と時間と戦略が欠かせないことです。
最近はマスコットキャラクターを使う企業が年々増えていることで、競合他社との差別化が一層層重要になっています。
安易に作るんじゃなく、常に先を見据えて考えていくことが求められます。
ライセンスにするか?新規でデザインするか??
企業がキャラクターを使う場合、最初の大きな選択になるのが既存キャラクターを使うか、オリジナルキャラクターを作るかです。
『既存キャラクターを使用する場合』・・・ライセンス契約が必要
1. 有名なキャラクターを「アテンション・ゲッター」として用いることで、広告への注目が高まる
2. 他の類似する商品・ブランドとの差別化の手段となる
3. キャラクターへの関心や親しみ、好意度により、広告や商品・企業への関心や良好なイメージが高まる
4. キャラクターをシンボルとして用いることで、ブランドイメージが確立・強化される
例:ココス『ドラえもん』、クリクラ『クレヨンしんちゃん』など
※「キャラクター・マーケティング」より引用
『オリジナルキャラクターを作る場合』・・・デザイン作成が必要
5. キャラクター使用決定を自主的に行え、継続的・長期の利用が容易
6. 使用権と商品化権が残り、販促物への二次使用や他企業への版権提供によるビジネス展開も可能になる
7. CSRなどの領域で使用した際、企業の「顔」として世間の理解や支持を集めるメッセンジャーとなり得る
例:不二家『ペコちゃん』、ダイキン『ぴちょんくん』など
※「キャラクター・マーケティング」より引用
率直に言って、よほど予算に余裕があるのでなければオリジナルキャラクターを検討する方が望ましいです。
既存キャラのライセンス料はピンきりですし、キャラクタービジネスがいい具合に進展できても自社の取り分は限られてしまいます。
既存キャラは使用に様々な制限がかかるので会社の独自性は打ち出しにくくなる可能性も高いです。
★作り方に関しては、マスコットキャラクターの正しい作り方と使い方で会社の利益につなげよう!も参考になります。
キャラクター・マーケティングの最高レベルの成功例『くまモン』のケース
健康チェッくまも大事だモーン☆みなさん明日もよか日になりますように、おやくま~☆ pic.twitter.com/gvyid6CHwq
— くまモン【公式】 (@55_kumamon) 2016年4月6日
タイミングとターゲットが明確
・九州新幹線の開業一年前にデビューさせ、地元熊本よりも関西からの観光客を最初のターゲットにしていた
段階を踏んでの認知度向上
・正体を隠して登場、あちらこちらに神出鬼没に現れることで話題を呼ぶ
・熊本のご当地キャラや役所主導であることを隠し、大阪を徘徊させる
・見た人がSNSで報告しあうように仕掛けていく
・認知度が上がった頃に正体を明かし、一気にPR展開を拡大
・いきなり行方不明になったりしてニュース性を演出、キャラに個性などの深みを加えていく
商標無料
・熊本県のPRにつながれば、国内企業の商標仕様は原則無料とした
(※ちなみに、ひこにゃんは商品販売予定総額の3%が使用許諾料として必要・・・)
・色々な人や企業とコラボを行える環境にして、独占型でなく共有型のキャラにした
・デザイナーから熊本県が著作権を買い取った
・現在は使用認可だけで毎月400件を超え、申請件数や相談は数千件に上がる
・2011年11月~2013年10月の経済効果は1,244億円以上と言われている
・・・改めて見てもあっけにとられるレベルですが、にくいほど巧妙に戦略が練られ進められていったことがよくわかると思います。
著名な小山薫堂さんを筆頭に、優秀なスタッフ達の知恵とくまモン自体のデザインの良さが見事に絡んだキャラクター・マーケティングの稀有な成功例と言えるでしょう。
マスコットキャラクターはまず売上よりも認知度向上を優先し、win-winの状態を広い目線で作り上げていけばいずれしっかりとした経済効果が見込める・・・このポイントはぜひおさえておきたい要素です。
くまモンに限った話じゃないですが、『ゆるキャラ』の土壌による相乗効果も頭に留めておきたい部分です。コラボなども臨機応変に用いるべきでしょう。
★地方や企業がキャラクタービジネスを行う理由についてより詳しく知りたいときは、キャラクタービジネスを積極的に行う10の理由とは?も参考になります。
まとめ
オリジナルのキャラクターを使ってマーケティング活動を行う行為は、漠然とやってもおそらく殆ど実を結びません。お金だけ捨てて終わることがほとんどでしょう。
やる以上は、かなり攻めの施策にする必要があります。一定の継続時間と予算も必要です。過去の成功事例を参考にしつつ、いかに戦略的に進めていくかが高い確度で問われます。
さらに、キャラクターの作りこみ自体も隙のない状態に仕上げていく必要があります。
キャラクターを使うことの良さは、企業の苦労やビジネスにこめた戦略的な思考をお客様からはダイレクトに見えない状態へとキャラがオブラートに包み込んでくれるところにあります。
キャラクターは会社の資産となるばかりでなく攻撃力の極めて高い武器にもなりますし、かけがえのないビジネスの仲間にもなってくれる存在です。
使わない手はありません!
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マスコットキャラクターの作成を発注する前に整理しておきたい話