開発側から見たスマホゲーム業界の不思議な部分って?

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どうも、ハシケン(@conteanime)です。

 

何度か書いてますが、直近まで勤めていたのはスマホゲーム開発会社で自分はそこでアートディレクターという仕事をしてました。

 

ちなみにスマホゲームの会社は、業界ではSAP(サップ)と呼んでいます。ソーシャルアプリプロバイダー、の略らしいですね。

 

その前まではパチンコ・パチスロ等のアニメーション部分を作る仕事をしてましたが、ファミコン世代ということもありゲームも好きだったので一度開発側で仕事がしてみたく中途入社した―――という経緯です。

 

最近ではスマホゲームの市場は家庭用を越えて、どんどん拡大していますが中から見ていて不思議だった事などを、業界を離れた今だからこそ冷静にこそっと書いてみようと思いました。

 


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TVCM

 

最近でこそ随分少なくなりましたけど、一時期多かったのが【今ならSR○○カードもらえる!!】という視聴者への呼びかけで終わるCM、覚えてますか?

当たる プレゼント

 

最近のアプリというよりは、GREEDeNAなどのソーシャルゲーム有名な頃が最盛期だったかもですが・・・あれは実に妙でした。

 

オリジナルキャラクターのイラストがもらえるというのがいったいどれだけの売りになっていたんでしょう?CM見るたびに気になってたんですが、『おーそれならやってみようかね・・・』と思った視聴者って、実際のとこどれだけいたんでしょうね。

 

最近では家庭用ゲーム以上にスマホゲームのCMを見かけますが、パズドラモンストはじめなんだかんだでTVCM効果は大きいらしいので今後も増えていくんだと思われます。まだまだテレビの強さって侮れないようですね。

 

コラボ 

 

ある程度のアプリになると必ず行う施策が、別のゲームやアニメなどと相互で行うコラボレーション企画です。有名なアニメなどのキャラが自分のやってるゲームで使えるということでファンに対しては一定の効果がありどこでもやっていますが、最近は本当に見境なくやってるイメージですよね。

 

ソーシャル ごちゃごちゃ

 

元々はある程度関係性が判りやすい中でやってた気もするんですが、もはや全然関係ないただ有名なアニメの版権などを使いたいだけっぽくてどうにも節操の無い気がしてなりません。

 

どこもやるから自社もやらなきゃいけない種類の施策になっていて、(SAP自体が元々そう言う特性を有してる業界だと思いますが)『右に倣え』過ぎていてどうにもパッとしない印象を受けてしまいます。

 

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家庭用ゲームとの住み分け 

 

今や任天堂も参入したくらいで、元々家庭用ゲームの大手だったところはスマホゲームにほぼすべて参入したと言えるんじゃないでしょうか。それくらい市場が大きくなって利益が出しやすい世界なんですよね。

 

ビジネスに、「レバレッジを効かせる」という言い方があります。てこの原理を最大限に働かせて稼ぎを最大限多くするという意味で、叩かれることも多いスマホゲームの課金システムというのは実は非常にレバレッジが効いてるモデルなんですよね。

 

元々ソーシャルゲームと呼ばれて高課金が世間的にも叩かれてましたがパズドラの成功以降はお客様一人ずつの課金額はある程度に抑えてユーザー数自体をなるべく増やすという方向に業界がシフトしています。その分、世間からのイメージもソーシャルゲームよりはマシになってるところはあるのかもしれません・・・そうでもないかな?(笑

 

悩む わからない

 

とにかく、任天堂の参入というのは古いファミコン世代からすると来るとこまで来たかという感じでやっぱり少しさびしかったですね・・・。社風的に当初はえげつない課金はしないんだろうと思いたいですが、一度課金というスタイルに慣れた会社がそこから離脱するというのはもう出来ないんじゃないかと思います。

 

それほどに【課金ビジネス】というのはゲームアプリ企業にとって甘い蜜であり、禁断の果実だろうと。

 

モラル 

 

上でも少し書いてますが、基本パクリが横行している業界という印象です。はたから見ててもそうでしょうが、中から見てても事実そうでした(笑

 

もちろん、いい作品から上手く要素を拝借しつつそれを進化させることでゲーム自体は進化してきたんですが、ソーシャルゲームやスマホアプリは本当にそのままパクって絵だけ変えて出す―――という事が日常的に行われていたと思います。

 

最近でこそ市場の成長のせいか目立つやり方は減ってきましたが、おそらくファミコンが急成長していた時期と近いようなカオスな状態だったんじゃないでしょうか。

 

わからない 謎

 

実際、現場で開発している者にはパクリをする意識なんて毛頭ないんですがどこでも上の人間がそう言うやり方を要望してくるんですよね(苦笑 まあ・・・他の業種にも大なり小なりある事だろうとは思いますが、業界の成熟でさらにこういう部分が淘汰されていけばいいなと思ってます。

 

未来

 

右肩上がりで伸びているスマホゲーム市場は、きっとこの先もスマホがある限り存在し続けることでしょう。ただ頭打ちのポイント自体はだいぶ近づいてきていると思われるので、そこに到達以降はこれまで以上に有名版権の取りあい開発費の高騰パイを奪い合う、強烈なレッドオーシャンならぬブラッドオーシャンになっていくのではないでしょうか。

 

今の段階でも異常な過密業界ですからね、少しでもミスった会社はどんどん倒産していく時代に既に入ってると思います。コンプライアンスなんかもこれからさらに厳しく見られる事でしょう。

 

SAPというのは、一つゲームを出して次にまた新作を出そうと思うと最初のゲームの運営人員を確保したまま新作に回す人を増やす必要があるので社員人数と人件費を延々拡大するしかないという、非常に危険な要素を持ち合わせているんですよね。経営者側のさじ加減は相当難しいはずです、あれは精神もたないですよ(笑

 

悩む つらい

 

ユーザーの目も肥えてきてますので、ゲームがあたるかあたらないかもこれまで以上のギャンブルになってくるでしょうからますます生き残りをかけたサバイバル業界になっていくことでしょう。

 

さいごに 

 

音楽業界が一時期より衰退した事と併せてよく思う事があります。

 

【形】を残せなくなった文化はやがて滅びるのでは?

 

・・・ということです。

 

廃墟 滅びる

 

CDが売れなくなり配信が増えてきた音楽というジャンルは、結果その存在感を随分と失ってしまったように感じています。(90年代の売れ方が異常だったとも言えますが・・・)

 

同じように、ゲームもカセットやDVDなどの形式ではなくスマホゲームやオンラインゲームというデータだけの存在になると、手元に残るものがなくなりプレイヤーにとっての価値自体希薄になるんじゃないかと。

 

昔のファミコン・スーファミなんかは今でもやれますしだからこそ共通言語として生き続けている部分があると思います。でも形を持たなくなった今のゲームは、十年後ニ十年後に誰かに思い出されて語られる事があるのかなと・・・危惧します。

 

例えば漫画や小説なんかもデータだけの電子書籍が出ていますが、一方で現物の本にこだわる人が依然として圧倒的であるため文化としてさほど変わらず存在し続けていられるのかなと想像しています。

 

ゲーム会社は今の売り上げを立てることに必死になって当然ですが、文化としての終焉を自ら引き寄せてしまっている可能性にもそろそろ目を向けた方がいい時期なんじゃないのかと思うわけです。

 

・・・考えすぎならいいですが、幼い頃から長い間ゲームをしてきたけどここ数年めっきりゲームをやらなくなった(むしろやれなくなった)、かつてのゲームファンだった一人の男の独りごとでした(笑

 


 

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ABOUTこの記事をかいた人

ハシケン

create archives代表兼アートディレクター。絵やブログを活用した差別化・ブランディングの専門家。長年絵を描く仕事に従事。代表作:『2027Ⅰ・Ⅱ』キャラクターデザイン・アニメーション制作、『海賊道』『戦国修羅SOUL』アートディレクション、その他オリジナル・版権モノ多数。 2015年独立、【コンテアニメ工房】を開設し個人事業開始(※2017年7月時点で月間28万PV)。